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November 18, 2018

映画『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』公開とトークショーのお知らせ

ご存知の方もいらっしゃるだろうが、アストル・ピアソラ・ファン必見のドキュメンタリー映画『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』(監督:ダニエル・ローゼンフェルド)が、12月1日にロードショー公開される。

Yearsofthesharksmall

まずは予告編をご覧頂こう。本編の魅力をうまく2分間にまとめてあると思う。

次に、気になる今後の各地での公開予定を書いておこう。

12/1(土)~
東京:Bunkamura ル・シネマ(渋谷) 03-3477-9264
北海道:札幌シアターキノ 011-231-9355

12/15(土)~
愛知:名演小劇場 052-931-1701

12/29(土)~
京都:京都シネマ 075-353-4723
大阪:テアトル梅田 06-6359-1080

2019/1/11(金)~
長野:アイシティシネマ 0263-97-3892
兵庫:シネ・リーブル神戸 078-334-2126

2/9(土)~
長崎:長崎セントラル劇場 095-823-0900

以後順次公開
神奈川:川崎市アートセンター アルテリオ映像館 044-955-0107
静岡:シネマイーラ 053-489-5539
福岡:KBCシネマ 092-751-4268

これはいったいどんな映画なのか。監督のローゼンフェルドは1973年ブエノスアイレス生まれ。監督としての初の長編作品が、なんとバンドネオン奏者のディノ・サルーシを取り上げた『Saluzzi- rehearsal for a bandoneon and three brothers』(2002年、日本未公開)だった。これを観たピアソラの息子、ダニエル・ピアソラから直々に、父アストルのドキュメンタリー映画の製作を提案されたのだという。そして昨2017年、ピアソラ没後25周年を記念してブエノスアイレスで開催された回顧展にあわせる形で完成したのが、この映画である。原題は『Piazzolla, los años del tiburón』で(日本公開版では英題の『Piazzolla, The years of the shark』で表記される)、訳すと『ピアソラ サメの時代』となる。日本では、これでは一般層に内容が伝わりにくいとの判断から『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』というタイトルが採用された。

ピアソラで“サメ”と言えば、思い浮かぶのが「エスクアロ(鮫)」という曲名だろうが、映画ではなぜ“エスクアロ”ではなく“ティブローン”なのか。手元にある2種類の西和辞典ではどちらも意味は同じで、ティブローンの方には、別に“野心家”などの意味もあるが、特にかけているわけではない。映画で引用されているピアソラのインタヴューでもダニエルの想い出話でも、ピアソラの趣味のサメ釣りの話題で“ティブローン”という単語が使われている。この言葉の方が一般的で、曲名にはヒネリを加えたのだろうか。いずれにしてもピアソラを指す重要なキーワードとして“サメ”がタイトルにまで採用された理由は、本編の中でご確認いただきたい。

この映画は、息子ダニエルの全面的な関与により、主にピアソラの没後製作された他のドキュメンタリーとは明確に一線を画す内容となった。ピアソラ家に大切に保管され、今回初公開となった1950~60年代のアーカイヴ(8mmフィルムやオープンリール・テープなど)には驚かされるばかりだ。そして各地に散らばる貴重なテレビ映像などの数々も画面を彩るが、語り部として登場するダニエルの嗜好や思いを反映して、彼がメンバーとして参加した70年代中期のコンフント・エレクトロニコ時代のヨーロッパでのテレビ局出演時の映像の比重が高い。

更に、2009年に亡くなった娘(ダニエルの姉)のディアナ・ピアソラが1987年に上梓した伝記『Astor』のために父を取材した際のテープが残されていて、これがまた重要な素材となっている。

Diana_astor

私は今回、光栄にも字幕監修を担当させて頂き、パンフレットにも「父として、アーティストとしてのピアソラ」なるコラムを寄稿した。そして、公開前夜の11月30日(金)19時30分から、代官山T-SITE 蔦屋書店3号館2階 音楽フロアにて開催されるトークショーにも出演することになった。せっかくの機会なので、他ではまず聴くことのできない音源もお掛けしたいと思うので、ぜひお出掛けいただきたい。詳しくは下記リンクから。

【イベント】JAZZトーク スペシャル版 映画『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』公開記念トークショー

11月20日発売の雑誌『ラティーナ』12月号では、映画・音楽ライターの圷(あくつ)滋夫さんの「『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』 偉大なる音楽家の真実と、父と子の儚い物語」という一文に続く形で、「ピアソラのお宝探索の旅は終わらない」という記事を執筆しているので、併せてお読みいただければと思う。

Latina201812

また、映画の広報大使に選ばれたバンドネオン奏者、三浦一馬がキンテート編成で録音した最新アルバム『LIBERTANGO』(キング KICC 1471、10月24日発売)では曲目解説を担当したので、そちらもぜひどうぞ。

Kazumalibertango

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