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August 27, 2018

ほんとうに衝撃を受け、かつ今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムを10枚(3日目)

昨日、一昨日に続き、10日前のFacebookへの投稿を転載する。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ほんとうに衝撃を受け、かつ今でも聞き続けている(ごくたまにであっても)生涯のお気に入りアルバムを10枚。毎日ひとつずつジャケを投稿する。3日目/10日

Conciertodetangob

Astor Piazzolla y su Quinteto Nuevo Tango / Concierto de Tango en el Philharmonic Hall de New York(ニューヨークのアストル・ピアソラ)(Polydor 27136)

(続き)
大学ではバンド活動のほか、大学祭実行委員などもやっていたが、いくつかの事情によりあまりキャンパスには行けなくなり、横浜・鶴屋町の印刷屋の2Fに出来た貸しレコード店(まだほんとに黎明期だった)でバイトを始めた。やがて店を任されるようになり、大学は4年の途中で中退してしまった。雇われ店長を1年ほど務めた頃、オーナーだった印刷屋のオヤジが「貸しレコード店は飽きたからやめる」と言う。そこで中古レコード店に意匠替えしたらどうかと提案したところ、使っていたレコードを安く譲るから、お前が店をやれと言う。というわけで82年の秋、中古レコード店レコピアをスタートさせた。レンタル時代の顧客名簿も買い取ってDMを送ったが、やはり客層は異なり、反応は少なかった。そして、人よりも車の多い通り沿いの2Fという立地条件もあり、客足は延びなかった(最終的に2年ほどで閉店)。むしろ中古盤と並んで店の目玉とした、パンク系のソノシートなどインディーズ盤の新品の方が、利益はともかく反応はよかった。
それでも中古盤目当てで通ってくださったお客さんの中に、主にラテン系のレコードを定期的に売りにくる方がいた。サルサやボレロなどがメインだったと思うが、そんな中にアストル・ピアソラのレコードも紛れていたのである。実際に買い取り、店で聴いてみたのを覚えているのは、67年に大編成オーケストラで古典タンゴを演奏した、「タンゴの歴史」シリーズの1枚『レクエルド』(82年の初来日記念盤としてポリドールから再発、原題は"La historia del tango - Epoca Romántica")と、RCAのオムニバス『ロコへのバラード~われらのタンゴ』。このオムニバスに収録されているピアソラは、ロベルト・ゴジェネチェの歌う「ロコへのバラード」「チキリン・デ・バチン」を伴奏した2曲(原盤はピアソラ=ゴジェネチェ名義のシングル)と、アニバル・トロイロとのバンドネオン二重奏(原盤は別のオムニバス)というやや地味な扱い。むしろ私が最初に強く惹かれたのは、タンゴ史上最高のヴァイオリン奏者のひとりで、しばしばピアソラとも共演したエンリケ・マリオ・フランチーニの八重奏団による4曲だった(この4曲のみこのオムニバスが初出)。この4曲は、サルタ州出身でフォルクローレからフリー・ミュージック的世界に進み、ECMに名盤を残すことになるディノ・サルーシが、珍しくタンゴでバンドネオンとアレンジを担当している点でも貴重だった。
いずれにせよ、ピアソラという存在に興味を持った私は、小貫信昭氏がミュージック・マガジンに連載していた「ジャバーラ・ジャーナル」でピアソラを紹介されていた82年7月号を読み直し、新星堂に行って帯に「最高傑作」と書かれた1枚を買ってきた。日付を記録していなかったのだが、84年の初め頃だったと思う。それが65年にキンテート(五重奏団)で録音した『ニューヨークのアストル・ピアソラ』だった。

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(最初に買った82年の国内盤および74年の国内初盤のジャケットの元になった、72年のアルゼンチンでの再発盤)。

ピアソラは長い活動歴の中で多くの名盤を残しているが、「最高傑作」の文句に偽りはなかった。実際、極めて優れた演奏内容を誇るこのアルバムは、60年に結成されたキンテートが最初のピークを迎えた65年に、はじめて全曲ピアソラ作品のみで構成されたアルバムとしてリリースされた、ピアソラ全史の中でも屈指のアルバムだったからだ。タイトルが紛らわしいがこれはライヴ録音ではなく、文化使節の一員としてニューヨークのリンカーン・センターにあるフィルハーモニック・ホール(現:デイヴィッド・ゲフィン・ホール)で公演を行って帰国後に、ブエノスアイレスのスタジオで録音したアルバムである。写真のオリジナル盤は、87年6月にブエノスアイレスで購入したもの。
私の人生を変えてくれたこのアルバムから、ピアソラやタンゴとの長い付き合いが始まったのである。

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