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August 26, 2018

ほんとうに衝撃を受け、かつ今でも聞き続けている生涯のお気に入りアルバムを10枚(1日目)

Facebookで8月15日から毎日書き続けていたこの企画。あちらでは完結したが、せっかくなのでこちらでもアップしておくことにする。文章が長くなってしまったので、1日1枚のペースはこちらでも守ろうと思う。

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ほんとうに衝撃を受け、かつ今でも聞き続けている(ごくたまにであっても)生涯のお気に入りアルバムを10枚。毎日ひとつずつジャケを投稿する。1日目/10日

もうこの企画への投稿も一時ほど見かけなくなり、収束傾向なのかも知れないが、吉村俊司さんからご指名を受けたので、喜んで引き受けることにした。解説は不要とのことだが、やはり簡単でも解説は書いておきたい。また、毎日一人ずつ指名というルールも当初はあったようだが、最終日の指名に留めたいと思う。というわけで初日。

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Steely Dan / Katy Lied (嘘つきケイティ)(Probe IPS-80181)

中学2年だった72年の秋、『サイモンとガーファンクル・グレーテスト・ヒット』をきっかけに洋楽を聴き始めた私の情報源は、ラジオ関東で始まった「全米トップ40」や雑誌「ミュージック・ライフ」だった。ギルバート・オサリヴァン「アローン・アゲイン」、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー「シーモンの涙」、シカゴ「サタデイ・イン・ザ・パーク」、ミシェル・ポルナレフ「愛の休日」、ラズベリーズ「明日を生きよう」、デイヴィッド・ボウイ「スターマン」…。ラジオから流れてくるヒット曲に夢中になった。
73年、一番興奮したのはポール・サイモン待望の新曲「僕のコダクローム」。次点はスリー・ドッグ・ナイト「シャンバラ」かな。そして74年の春休み、姉の引越しの手伝いをしながら流していたFENから聴こえてきた曲のエンディング近く、軽快なハーモニカに釘付けになった。ボブ・ディランの「こんな夜に(On A Night Like This)」だった。ザ・バンドがバックを務めたアルバム『プラネット・ウェイヴス』を買いに走り、7月に出たディラン/ザ・バンドの強力ライヴ2枚組『偉大なる復活(Before The Flood)』で興奮状態に。
で、このままディランにはまっていくはずだったのが、更なる強力な出会いが待ち構えていた。それが、やはりFENから流れてきたスティーリー・ダンの「リキの電話番号(Rikki Don't Lose That Number)」だった。なんなんだ、このへんてこりんなコード進行とメロディ、癖のあるヴォーカルは! アルバム『プリッツェル・ロジック(さわやか革命)』(何て邦題だ!)も最高だった。過去の2作も当然買い揃え、東芝EMI公認スティーリー・ダン・ファン・クラブの最年少会員となった私は、ギターのジェフ“スカンク”バクスター脱退の報にたじろぎつつ、次のアルバムを待った。
そして75年4月、『Katy Lied』リリース(タイトルは、雑誌で報じられた当初は『Katty Lies』だったりした)。すぐに輸入盤を買い求めたが、国内盤『嘘つきケイティ』が出ると、買い換えてしまった。当時家にあったのは古い家具調ステレオだったこともあって音質の微妙な差もわからず、解説や対訳のついた国内盤の方が有難かったのだ。
そんな思い入れのある『嘘つきケイティ』だが、後から振り返っても、私にとって最も彼ららしい、最良の一枚だと思う。初期のゆるさ、人懐っこさ、バンドっぽさと、後期の高度な洗練、隙のない完成度、そのちょうど中間の絶妙な位置に、このアルバムは存在している。何よりもチャーミングな曲が揃っているのがいい。そしてこのアルバムのサウンドは、私にとっていろんな好みや良し悪しを判断する基準の一つにもなっている。
それにしても、「リキの電話番号」や『嘘つきケイティ』を彩っているセンスのよいピアノ、てっきりドナルド・フェイゲンが弾いていると思っていたら、実はどれもマイケル・オマーシャンだったと知った時のショックと言ったら!

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