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June 09, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(52)

映画"Jersey Boys"(ジャージー・ボーイズ)6月20日の全米公開に向けて、新しい映像が公開されている。

Jersey Boys Featurette - Meet The Jersey Boys (2014) - Christopher Walken Musical Biography HD

また、ライノからのサウンドトラック盤も6月24日発売予定で、アマゾンなどで予約を開始している。

Jerseyboys

ただし、MUSIC FROM THE MOTION PICTURE AND BROADWAY MUSICAL Plus Original Recordings by Frankie Valli & The Four Seasonsという表記がある通り、ブロードウェイ・オリジナル・キャスト版からの使い回しやご本家の音源の収録もある模様。曲目は以下の通り。

01. Prelude
02. December, 1963 (Oh, What A Night)
03. My Mother's Eyes
04. I Can't Give You Anything But Love - John Lloyd Young
05. Sunday Kind of Love - John Lloyd Young
06. Moody's Mood for Love
07. Cry For Me
08. Sherry
09. Big Girls Don't Cry
10. Walk Like A Man
11. My Boyfriend's Back
12. My Eyes Adored You
13. Dawn (Go Away)
14. Big Man In Town
15. Beggin'
16. Medley: Stay / Let's Hang On! / Opus 17 (Don't You Worry 'Bout Me) / Bye Bye Baby
17. C'mon Marianne
18. Can't Take My Eyes Off You
19. Working My Way Back To You
20. Fallen Angel
21. Who Loves You
22. Closing Credits
23. Sherry
24. Dawn (Go Away)
25. Rag Doll

曲の並びから考えると、おそらく「Closing Credits」の後の3曲がフォー・シーズンズによるオリジナル録音だろう。内容についてはいつもお世話になっているElainesさんがブログの記事「情報続々」で検証されているので、ぜひお読みいただきたい。

それでは、ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第11回。

★★★★★
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A) BIG MAN IN TOWN (Bob Gaudio) PHW1-33172 #20
B) LITTLE ANGEL (Bob Gaudio - Bob Crewe) PHW1-33173
THE 4 SEASONS Featuring the "Sound" Of Frankie Valli
A Bob Crewe Production
Arranged by Denny Randell
Philips 40238 [20/10/64]
45cat

再びアレンジャーにデニー・ランデルが起用され、1964年9月にステア・フィリップス・スタジオで録音されたフィリップス通算5枚目のシングル。

「Big Man In Town」は、シングルA面では実に「Sherry」以来となるボブ・ゴーディオ単独作(B面を含めても「Marlena」以来)。そして、曲がフェード・アウトせずにエンディングまできっちり作られているのは、何とシングルA面ではこれが初である(B面だとここまでで「Spanish Lace」「I've Cried Before」「Christmas Tears」「Soon (I'll Be Home Again)」「Long Lonely Nights」の5曲)。

これまでのシングルがどれもフェード・アウトで終わっていたのは、ラジオDJたちがエンディングに声を重ねたり次の曲と繋げたりしやすいことを考慮してのことだろうか。

この曲は全体の構成がシンプルだがよく考えられていて、楽器の使い方も実にうまい。イントロはハーモニカによるメランコリックなソロからジャーン、ジャーン、と力強いストロークが2回。ドラムスのフィル・インに続いてコーラスが入り、ヴァースへ。ヴァース部分ではダブル・トラックで録音されたフランキー・ヴァリのリード・ヴォーカルにいつものようにコーラスが絡んでいき、コーラス(サビ)部分に入るとヴォーカルは強力なファルセットに切り替わる。ヴァース~コーラス部分の随所に挟まれる、ハーモニカとイングリッシュ・ホルン(オクターヴ下)のユニゾンによると思われるオブリガートが印象的だ。

ヴァース~コーラスが2回繰り返され、そのままコーダへ。そこではチューブラー・ベルが効果的に鳴り響き、途中からタンバリンとハンド・クラップのウラ打ちで盛り上がる。そして最後のフレーズが(恐らくオーボエではなく)イングリッシュ・ホルンによって奏でられる。このような完璧な構成だからこそ、フェイド・アウトではダメだったのだ。“2分47秒のワイド・スクリーン・ロック・オペラ”とは言い得て妙である(雑誌「レコード・コレクターズ」1992年3月号掲載の澤山博之氏の記事によれば、『25TH ANNIVERSARY COLLECTION』(Rhino RNRD72998-2)のライナーにそう書かれているとのこと)。

「金なんかないし、みんなからは流れ者と思われているけど、いつか街の大物になってやる。約束するから待っていておくれ。君は僕のことを誇りに思えるようになるよ」という内容の歌詞も、貧しいイタリア系労働者階級から出て全米中の人気者にまで登りつめた彼らの姿を映しているようで共感を呼びそうだが、ビルボード・シングル・チャートで最高が20位というのは、当時の彼らの勢いを考えてもいささか不本意な結果ではなかっただろうか。

この曲は、1965年3月リリースのアルバム『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU』(Philips PHM 200-164[mono]/PHS 600-164[stereo])に収録されることになる。

Ph164m_1

アルバムについては改めて紹介するが、「Big Man In Town」のステレオ・ヴァージョンは全ての楽器が左チャンネル、コーラスが右チャンネル、リード・ヴォーカルがセンターに配置されていた。

第7回第11回で触れたように、『EDIZIONE D'ORO (GOLD EDITION)』で新たなステレオ・ヴァージョンが登場、左チャンネルに固められていた楽器は左右に振り分けられた。ハーモニカ、イングリッシュ・ホルン、ギターが右チャンネルに、もう1本のギター、ベース、ドラムス、チューブラー・ベルズなどが左という具合である。ヴォーカルはダブル・トラックからシングル・トラックになり、深いエコーが掛けられた。コーラスは右チャンネルからセンターに移り、これもエコーは深めである。

『STORY』では通常のステレオ・ヴァージョンに戻され、『EDIZIONE D'ORO』のCDにはモノラルで収録された。同じモノラル・ヴァージョンでも『JERSEY BEAT - THE MUSIC OF FRANKIE VALLI & THE 4 SEASONS』収録のものは音の鮮度が上がっていて、より状態のよいマスターが使われているように感じる。

カップリングの「Little Angel」はミディアム・テンポの佳曲で、ヴァリはファルセットと地声を自在に使い分けて歌っている。シングル盤での作者クレジットはボブ・ゴーディオ=ボブ・クルーと、通常と逆になっているが、アルバム『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU』収録時には通常のBob Crewe - Bob Gaudioという表記に戻されている。

やはりアレンジは巧みでマリンバなども効果的に使われているが、ボブ・ハイド氏は英エース盤CD『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU / WORKING MY WAY BACK TO YOU』(Ace CDCHD 582)のライナーで「ある部分ではハーモニカのように、別の箇所ではアコーディオンのように聞こえる、メンバーのボブ・ゴーディオの電子キーボード(electronic keyboard)がフィーチャーされている」と書いている。

確かにオブリガートや間奏でアコーディオンやハーモニカの音色が現れる。トレモロがかかっているが、本物のようにも聞こえるし、よく判らない。電子キーボードとは何を指しているのか。時代的にも音色的にもメロトロンやモーグ・シンセサイザーではない。ということは、ファルフィッサやヴォックス・コンティネンタルといったコンボ・オルガンでこの音を出しているのだろうか。楽器に詳しい方がいらしたら、この音が出せるものなのかどうか、ご教示いただければ幸いである。

この曲もアルバム『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU』に収録されるが、ステレオ・ミックスは最初から、楽器が左右に振り分けられヴォーカルとコーラスがセンターに位置するという自然なものになっている。

★★★★★
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A) I SAW MOMMY KISSING SANTA CLAUS (Thomas Connor) 62-2762
B) CHRISTMAS TEARS (Thompson - Wilson) 62-2743
THE FOUR SEASONS
Vee-Jay VJ-626 [11/64]
45cat

1964年のクリスマス・シーズンに合わせ、ヴィー・ジェイが『THE 4 SEASONS GREETINGS』から11月にシングル・カット。ヴィー・ジェイでは2度目にして最後のピクチャー・スリーヴ付シングルとなった。ポップ・チャートには登場していないが、1週だけビルボードの12月25日付クリスマス・チャートの19位にランク・インした。「I Saw Mommy Kissing Santa Claus(ママがサンタにキッスした)」も、2度目のB面となる「Christmas Tears(涙のクリスマス)」も、曲については第30回を参照していただきたい。

しかし、ボブ・クルーとアレンジのシド・バースのオリジナルである「Christmas Tears」の作者がThompson - Wilson(誰?)となっているのは、悪い冗談だろうか。

★★★★★
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A) BYE, BYE, BABY (BABY, GOODBYE) (Gaudio - Crewe) PHW1-34574 #12
B) SEARCHING WIND (Crewe - Gaudio) PHW1-30998
THE 4 SEASONS Featuring the "sound" Of Frankie Valli
A Bob Crewe Production
Arranged & Conductet by Calello
Philips 40260 [30/12/64]
45cat

アレンジャーをチャールズ・カレロに戻し、1964年11月にオルムステッド・スタジオで録音。エンジニアはビル・マクミーキン。同じ月にニック・マーシ作の「Living Just For You」も録音されたが、カップリング曲としては使われず(アルバム『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU』に収録)、代わりに『BORN TO WANDER』から、バンジョーとアコースティック・ギター、ウッド・ベースの伴奏によるフォーク調のクルー=ゴーディオ作品「Searching Wind」(1964年1月録音)がB面に採用された。

シングルのレーベル面には「Bye, Bye, Baby (Baby, Goodbye)」と表記されているが、ピクチャー・スリーヴでは「Bye Bye Baby (Baby, Goodbye)」とカンマが取れて、アルバム『THE 4 SEASONS ENTERTAIN YOU』に収録された時点でジャケット、レーベル面の表記ともに「Bye Bye Baby (Baby Goodbye)」とカッコ内のカンマまでなくなってしまった。『THE 4 SEASONS' GOLD VAULT OF HITS』、『STORY』も同様だが、『EDIZIONE D'ORO (GOLD EDITION)』では「Bye Bye Baby (Baby, Goodbye)」、『JERSEY BEAT - THE MUSIC OF FRANKIE VALLI & THE 4 SEASONS』では「Bye, Bye, Baby (Baby, Goodbye)」と表記されている。このあたり、かなりいい加減である。ちなみに当時の邦題は「バイ・バイ・ベイビー・グッドバイ」だった。

語りも交えたスローなイントロの後、ハイハットが刻む二拍三連のリズムに乗せて曲が展開していく「Bye, Bye, Baby (Baby, Goodbye)」は、ベイ・シティ・ローラーズによるカヴァーも有名で(1975年3~4月に全英で6週間連続No.1)、曲のイメージは定着しているといえるだろう。前述の澤山博之氏が“エンディングのストリングスは「ビー・マイ・ベイビー」の途中のフレーズと同じ”と指摘する通り、フィル・スペクターからの影響は顕著なのだろうが、「Rag Doll」とは違い、個人的には特に意識しなければ、あまり影響は感じない。よりこなれているというか、それだけ曲がよく書けている証ではないかと思う。

ステレオ・ヴァージョンはリズム・セクションが左、ヴォーカルがセンター、コーラスとストリングスが右(どの盤も同じ)。そういえば、ストリングスはこれまでのシングルにはあまり使われていなかったように思う。

★★★★★
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A) NEVER ON SUNDAY (M. Hadjidakis - B. Towne) 62-2643
B) CONNIE O' (Crewe - Gaudio) 64-2650
THE FOUR SEASONS
Vee-Jay VJ-639 [1/65]
45cat

1965年の第1弾シングルはヴィー・ジェイからのリリースとなったが、もはやチャート・インせず。「Never On Sunday(日曜はダメよ)」『SHERRY & 11 OTHERS』からのカット。曲については第25回を参照していただきたい。

「Connie O'」はもちろん「Big Girls Don't Cry」のカップリング曲「Connie-O」のこと。タイトル表記の変更にも特に意味はないのだろう。同シングルを紹介した第43回も参照していただきたい。

(続く)

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