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May 30, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(47)

ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第6回。いよいよフィリップス時代に突入だ。

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A) DAWN (GO AWAY) (Bob Gaudio - Sandy Linzer) PHW1-30926 #3
B) NO SURFIN' TODAY (Bob Crewe - Bob Gaudio) PHW1-30927
THE 4 SEASONS
A Bob Crewe Production
Arranged and conducted by "Calello"
Philips 40166 [10/1/64]
45cat

1963年11月20日にニューヨークのアトランティック・スタジオにて録音。エンジニアはトム・ダウド。新たに契約したマーキュリー社のフィリップス・レーベルからの第1弾シングルとして1964年1月10日に発売。彼らのフィリップスからのシングルにはピクチャー・スリーヴ付のものが多いが、これはスリーヴなし。

スローな導入部に続いてバディ・サルツマンのあざやかなドラムスが強烈な印象を残す「Dawn (Go Away)(悲しき朝やけ)」は、ビルボード・シングル・チャートで第3位を記録し、名実共に彼らの代表曲の一つとなった。主にデニー・ランデルとのコンビで長きに渡り彼らの重要なブレーンとなるサンディ・リンザーが初めて作詞で参加、ゴーディオとのコンビでいきなりのクリーン・ヒットを飛ばした。

冒頭のスロー・パートは最終モノラル・ミックスの段階で加えられたものと思われ、この構成でのステレオ・ヴァージョンは存在しない。1964年3月発売のフィリップス第2弾(!)アルバム『DAWN (GO AWAY) AND 11 OTHER GREAT SONGS』(Philips PHM 200-124[mono]/PHS 600-124[stereo])および1965年11月発売のベスト『THE 4 SEASONS' GOLD VAULT OF HITS』(Philips PHM 200-196[mono]/PHS 600-196[stereo])のステレオ盤にもモノラルで収録されている。

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導入部なしでいきなりドラムスから始まり、イントロに♪Daaaaaa-wn...とコーラスが加えられたステレオ・ヴァージョンは、第7回でも紹介したように、1968年12月発売の『EDIZIONE D'ORO (GOLD EDITION)』(Philips PHS 2-6501)で初登場した。1975年12月の『STORY』(Private Stock PS 7000)にも同じステレオ・ヴァージョンで収録されている。ヴォーカルとコーラスがセンターに置かれ、各楽器が左右にうまく分離した、自然なステレオ・ミックスとなっているのが嬉しい。第8回第10回などで触れた、8トラック録音による効果だろう。

同時に録音されたカップリング曲「No Surfin' Today(追憶のなぎさ)」は、永遠のライヴァル(?)、ザ・ビーチ・ボーイズを皮肉ったようなバラード。冒頭とエンディングで聞こえる波の音のSEは、やはり最終モノラル・ミックスの時点で加えられたようで、この曲のステレオ・ヴァージョンは存在しない。なお、シングルのレーベル面で演奏時間2:25、この曲が収録された1964年2月発売のフィリップス第1弾アルバム『BORN TO WANDER』(Philips PHM 200-129[mono]/PHS 600-129[stereo])では3:07と表示されているが、シングルが表記ミスで、収録されているのは同じ長さのヴァージョンである(ストップウォッチによる実測では、シングル、モノラル盤およびステレオ盤LP、英エース盤CDのいずれも3:09と同一だった)。

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(続く)

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May 29, 2014

NHK Eテレ『らららクラシック』でピアソラ「リベルタンゴ」を紹介

久々のテレビ出演だ(といっても数十秒程度だが)。4年前の『名曲探偵アマデウス』は結局NHK-BSのみのオンエアーとなったので、地上波は『題名のない音楽会』以来16年ぶりかな?

というわけで、ご紹介しておく。

NHK Eテレにて
放送 5月31日(土) 夜9:30~
再放送は6月2日(月) 午前10:25~
ららら♪クラシック 響け!俺のバンドネオン
作曲家:ピアソラ 作品:リベルタンゴ
演奏:小松亮太グループ

もちろんアストル・ピアソラ(1921~1992)はタンゴの音楽家(作曲家/楽団リーダー/バンドネオン奏者)だが、主に没後、その作品がクラシック界でも頻繁に演奏されるようになったことで、こうしてクラシックの番組にも時折取り上げられるわけだ。

ヨーヨー・マの弾く「リベルタンゴ」がサントリーのCMに使われたこともあって、ピアソラでも特に人気の1曲となったわけだが、実のところこの曲は最高傑作でも何でもない。ピアソラの優れた作品を紹介するということであれば、「アディオス・ノニーノ」や「ブエノスアイレスの夏」などが先に来なければいけない。

とはいっても、そこはテレビ、しかも地上波、しかもNHKということであれば、初心者にも「ああ、あの曲ね」と伝わるものでなければならない、というわけで、どうしてもこうなってしまうわけである。

ただ「リベルタンゴ」には、本人の思惑などとは必ずしも関係のないところで、人々の心を捉えるキャッチーな魅力があることも確かなので(1974年に発表したこの曲が、ワールドワイドな活動へ歩みを進める上で大きな役割を果たしたのは事実)、この番組がきっかけで、またピアソラの魅力にはまる人が一人でもいてくださることを願うのみだ。

オンエアー前にラフを観たりできないので、仕上がりが心配な面もなくはないが、まあ何とかなっているだろう。ディレクターの奮闘に期待しておこう。みなさんよろしくお願いします。

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May 26, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(46)

ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第5回。

前の記事「最悪の配送業者i-parcelのせいで貴重なレコードが行方不明」でも書いたとおり、次に紹介すべき「Peanuts/Stay」が未着のまま行方不明となっているので、不本意ながら私が落札した盤の出品者がeBayに掲載していた写真を加工したものを転載する。

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A) PEANUTS (J. Cook) 62-2639
B) STAY (M. Williams) 63-3320
THE FOUR SEASONS
Vee-Jay VJ 576 [12/63]
45cat.comには未掲載

第6回に書いたように1963年8月、印税未払い問題でヴィー・ジェイを訴えたフォー・シーズンズとプロデューサーのボブ・クルーは、フィリップス移籍第1弾となる次のシングル「Dawn (Go Away)/No Surfin' Today」の録音を11月に終えていたが、ヴィー・ジェイへのマスター・テープの引渡しを拒否したために、逆にヴィー・ジェイから訴えられる。

そんな訴訟合戦さなかの12月、ヴィー・ジェイは前年9月のファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』にさかのぼって、リトル・ジョー・クック作の「Peanuts」をシングル・カットした。曲については第24回を参照していただきたいが、ここでお詫びと訂正がある。

その第24回で「テープ速度を変えている?」と書いたのは、大変な勘違いだった。同様のことは、「テープの回転を変えることでピッチを上げ」「このテープ速度を変えるギミックは、後にザ・ワンダー・フー?名義での一連の録音でも使われることになる」などと説明した第25回の「I Can't Give You Anything But Love」の解説にも言える。彼らはテープ速度など変えていなかった。フランキー・ヴァリは実際にあのハイ・トーンを出していたのである。

しばらく前、ザ・ワンダー・フー?の「Don't Think Twice」をパソコンに取り込んで、ピッチを落としてみたことがある。ところが、気持ち悪い声になっていくばかりで、ここというポイントが見つからない。そうかこれはギミックではなかったのか、とんだ間違いをしてしまったと気付いたのだが、先日この曲のライヴ音源(!)を聴くに及び、確証が得られた。

それはもちろん正規の音源ではないのだが、ニューヨークのマホパック高校(Mahopac High School)での1973年5月のライヴ録音というものである。フランキー・ヴァリ(vo)、ジョー・ロング(b)、デミトリー・カラス(g)、クレイ・ジョーダン(g)、それに参加したばかりのジェリー・ポルチ(ds)とリー・シャピーロ(kbd)という珍しいラインナップでの演奏なのだが(このあたりのメンバーの変遷については第15回および第16回を参照)、そこで「Don't Think Twice」が、あのレコードのままの声で歌われていたというわけである。大変お恥ずかしい間違いをしてしまったことをお詫びしておきたい。

さて、前記事でも触れたように、ラジオDJたちが「Peanuts」ではなく、6月発売のサード・アルバム『AIN'T THAT A SHAME AND 11 OTHERS』からカットされたB面の「Stay」(モーリス・ウィリアムズ作)をオンエアーし始めたため、ヴィー・ジェイはこのシングルを回収してしまった(そのまま「Stay」をA面扱いにするのではダメだったのか?)。当然チャート・インはしていないが、これは「Sherry」以降では初めてのことである。

(続く)

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May 25, 2014

最悪の配送業者i-parcelのせいで貴重なレコードが行方不明

(5/28一部修正のうえ追記)

「フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ」の連載で彼らのオリジナル・シングルを順番に紹介している。これまでの4回分で紹介したものは次の8作品。

第42回
Bermuda/Spanish Lace (Gone 5122)
Sherry/I've Cried Before (Vee-Jay VJ 456)
第43回
Big Girls Don't Cry/Connie-O (Vee-Jay VJ 465)
第44回
Santa Claus Is Comin' To Town/Christmas Tears (Vee-Jay VJ 478)
Walk Like A Man/Lucky Ladybug (Vee-Jay VJ 485)
Ain't That A Shame/Soon (I'll Be Home Again) (Vee-Jay VJ 512)
第45回
Candy Girl/Marlena (Vee-Jay VJ 539)
New Mexican Rose/That's The Only Way (Vee-Jay VJ 562)

この順番でいくと、次は「Peanuts/Stay」(Vee-Jay VJ 576)となるのだが、これが手元に届かずに困っている。長くなるが、事情を説明しておきたい。

このシングル・レコードは1963年12月にリリースされたが、ラジオDJたちがこぞってB面の「Stay」の方をオンエアーしたため、ヴィー・ジェイはレコードをいったん市場から回収した。翌1964年1月、新たなカップリングで「Stay/Goodbye My Love」(VJ 582)として改めてリリースされると、ビルボードで16位まで上昇するヒットとなった。

そんな事情もあり、「Peanuts/Stay」はフォー・シーズンズのヴィー・ジェイからのシングルの中では最もレアなうちの1枚となってしまったのだが、今回彼らのシングル盤のコンプリート・コレクションを目指す中で、先月下旬、オークションサイトのeBayに出品されたのを発見。少々値が張ったが、何とか落札することができた。出品者は私が支払いを済ませるとすぐに商品を発送してくれた。5月1日のことだ。そこまではよかったのだが、問題はそこから先だ。

通常eBayで落札した商品は、アメリカ合衆国からはUSPS(United States Postal Service=アメリカ合衆国郵便公社)の便で送られてくることがほとんどだ。これはだいたい発送されてから1週間ほどで届く。追跡はできたとしてもアメリカ合衆国国内までだが、多少遅れることはあっても、最終的に届かなかったことはない。

そればかりか、過去17年間に通販やオークションを利用して多くのレコードやCDを南北アメリカ大陸やヨーロッパの多くの国から取り寄せてきたが、中身違い、不良、梱包不十分による破損はごく稀にあるものの、未着に終わったケースはただの一度もなかった。それが今回は様子が違うのだ。

今回初めて知ったのだが、eBayは出品者の海外発送にかかわるリスクを肩代わりするために、GSP(Global Shipping Program=グローバル配送プログラム)というものを提供しており、今回の出品者はそのシステムを利用して商品を発送していた。出品者によっては商品ページにGSPの利用を明記しているところも多いようだが、私が落札した商品のページにはその記載はなかった。あったとしても最初は意味がわからなかっただろうし、確かによく見れば、Shipping: いくらいくらと書かれた後に配送手段がUSPS First Class Mail Intl / First Class Package Intl Serviceなどと普通は書かれているところが、International Priority Shipping to Japanとなっていたが、そんな違いまではなかなか気付かない。ただしいつもと違ったのは、送料を商品と分けて支払う必要があったということで、しかも送料はUSPSに比べて割高だった。PayPalからの領収書には「お客さまの荷物を発送、通関するため、この国際配送会社に別途支払いを送りました」と書かれていて、配送会社はPitney Bowesというところだった。

5/28追記:記憶があいまいで、落札後の商品ページではGSPの使用に関する表示が省かれていたため、「その記載はなかった」と書いたのだが、この出品者が現在も出品中の商品のページを確認したところ、実際にGSPの使用について記載されていたので、訂正しておく。
Gsp_

これがその記載表示例―該当商品のものではない―である。そういえば、この地球儀と矢印と荷物のイラストを最近よく見かけるようになり、送料が高いので普段は敬遠していたことを思い出した)←追記ここまで

eBayの日本語サイトにあるGSPの説明には、こう書かれている。

出品者は最初にケンタッキー州にあるUS出荷センターに売却済みの商品を配送し、その後、グローバル配送プログラム(Global Shipping Program)が責任を持って、パッケージング、関税申告書の記入、輸入税の徴収および支払い、追跡番号を提供する信頼の置ける業者を利用して購入者の住所にお届けします。

Gsp

これは発送からの追跡情報画面(クリックすると拡大。スクロール画面を切り張りして全体が見えるようにした)

そもそも、出品者が商品を発送してから、US出荷センターに届くまでに1週間近くかかっている。それだけでもあきれてしまうが、そこから先を受け持つ「追跡番号を提供する信頼の置ける業者」というのが、これから問題にするi-parcelである。

Iparcel

このi-parcelの追跡画面では、12日からConsolidation Arrived - Pending Customs Clearance and inbound scanのまま更新されなくなった(現在も表示は変わっていない)。荷物は成田(とは書いていないが)に到着し、税関手続きを待っている状態というわけである。

日本では通関後のi-parcelの荷物はSGHグローバル・ジャパン(佐川急便の国際部門、とでも言えばいいか)に引き継がれるが、佐川の追跡番号は、i-parcelにメールで問い合わせないとわからない。これも不親切な話だが、とりあえず5月17日にメールしてみた。ところが一向に返事が来ないまま日にちが過ぎていく。

その間にいろいろ調べてみると、ブログやツイッターなどでi-parcelの荷物が届かないという悲鳴があちこちで聞かれるではないか。たとえばYahoo!知恵袋の「ebayで購入した物が成田空港の税関から動きません」という書き込みなどだ。ここでわかったのは、i-parcelの伝票に不備があり、そのために税関で大量の荷物を一つ一つチェックしているという事実。

これを読んだ時点では、私の荷物もその中の一つなのだろう、時間はかかるだろうが、待つしかないのだなと思っていた。そして21日に再度メールで佐川の追跡番号を問い合わせたところ、今度は6時間後にようやく返事が来て、WMで始まる佐川の追跡番号を知らせてきた。早速検索してみると、5月11日付けで「現地へ輸送中」と出た。日付がずれているのは時差の関係だろうか。それにしても「輸送中」とは? 念のため佐川のグローバルコールセンターに電話すると、当然事態は認識している様子で、折り返し成田の担当者から電話をくれるとのこと。そして、成田の担当者が伝えてくれた調査結果は、実にショッキングな内容だった。荷物がキャセイ航空便で成田宛に送られたというデータだけは届いているものの、肝心の商品自体は成田へ到着していないというのだ! 「恐らくまだインディアナポリスに留まっているのでしょう」とのことで、こちらでは何もできないのでeBayかi-parcelに問い合わせてみてほしい、という話だった。何ということだ!

考えてみれば、成田で商品が止まってしまったという報告の多くは、ステイタスがCustoms clearance delay(税関手続きの遅延)となったまま、というものだったが、私の場合はそれ以前のPending Customs Clearance and inbound scanだったわけで、商品が届いていないんでは、確かに先に進みようもない。

さっそくi-parcelに怒りのメールをしたが、「調べます」と返事してきたきり、3日が経過。再度催促したが、「わかったらお知らせします」と繰り返すばかり。果たして荷物はインディアナポリスに残されているのか、どこか別の場所に間違って送られてしまったのか、実は日本に来ているのか。真相は闇の中である。

この間、とりあえず出品者には状況を知らせておこうと思い、クレームというよりは「i-parcelは最悪だからもう使わないほうがいい」と言うつもりで22日にメッセージを送ったところ、eBayの問題解決センターに事案として取り上げられる結果となった。そして、「輸送中の遺失」扱いとなり、eBay返金保証によってあっさりと全額が返金処理され、事案はクローズされた。

いやいや、そういうことではなくて、商品のありかが突き止められるよう、そしてこのようなケースが今後発生しないよう、対策を講じてほしい、というつもりだったのだが。もちろん、このまま商品が行方不明のままということであれば、返金はありがたいのだが、やはり釈然としない。というか、私の「Peanuts/Stay」を、時間はかかってもいいからちゃんと届けてくれよ。お願いだから。

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May 24, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(45)

ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第4回。

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A) CANDY GIRL (Larry Santos) 63-3314 #3
B) MARLENA (Bob Gaudio) 63-3313 #36
FOUR SEASONS
A Bob Crewe Production
Arranged and Conducted By "Calello"
Vee-Jay VJ 539 [6/63]
45cat

アーティスト表記はなぜか"THE"のない"FOUR SEASONS"となっている。初期の連続ヒット3曲のようにライヴの定番として定着したり代表曲と呼ばれることはなかったが、両面ヒットを記録、ヴィー・ジェイ時代を代表する豪華カップリングの傑作シングルと言えるだろう。雑誌「レコード・コレクターズ」1992年3月号のザ・フォー・シーズンズ特集の中の大瀧詠一×山下達郎両氏の対談「45回転の時代から響き続ける魅惑のヴォイシング」には、こんなやりとりがある。

 山下:「キャンディ・ガール」はわりかたヒットしたんでしょ、日本で。
 大瀧:B面は「マレーナ」。あのカップリングが一番よくて。

全米3位を記録した「Candy Girl」は、ラリー・サントス(1941年生まれ)の若き日の代表作。60年代末から70年代にかけてブルー・アイド・ソウルのシンガー・ソングライターとしてアルバムをリリースすることになるサントスだが、1963年11月にはラリー&ザ・リジェンズとしてアトランティックに「Don't Pick On My Baby」を録音する。

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ボブ・クルーがプロデュース、チャールズ・カレロがアレンジと指揮を手がけ、フォー・シーズンズ全員がコーラスに参加したこのシングルは、完全にフォー・シーズンズと同じプロダクションでの制作である(ちなみにエンジニアはトム・ダウド)。曲はクルー、カレロ、サントスの合作だったが(B面の「The Creep」はオルガンをフィーチャーした、同曲のインスト・ヴァージョン)、出来は「Candy Girl」には及ばなかった。

「Marlena」はシングルでは少し久々のボブ・ゴーディオ単独作で、初期連続ヒット3曲のようなトリッキーとも言える要素を抑えたようなまとまりのよさが目立ち、フォー・シーズンズとしての今後の方向性を示唆した作品となった。B面ながらビルボードで36位を記録。

どちらも同月発売のオリジナル・サード・アルバム『AIN'T THAT A SHAME AND 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1059)収録曲で(ステレオ・ヴァージョンあり)、「Candy Girl」がA面の、「Marlena」がB面のそれぞれトップに置かれた。それだけどちらもインパクトがあったということだろう。

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A) NEW MEXICAN ROSE (Bob Crewe - Charles Calello) 63-3323 #36
B) THAT'S THE ONLY WAY (Bob Crewe - Robert Boulanger) 63-3324 #88
THE FOUR SEASONS
Vee-Jay VJ 562 [9/63]
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両面ともにアルバム『AIN'T THAT A SHAME AND 11 OTHERS』からのシングル・カット。どちらもステレオ・ヴァージョンは存在せず、アルバムのステレオ盤にもモノラルで収録された(1964年8月発売の『MORE GOLDEN HITS BY THE FOUR SEASONS』(Vee-Jay VJLP 1088)などの編集盤は未確認だが)。この盤以降、ヴィー・ジェイ盤シングルのレーベル面からプロデューサー(クルー)やアレンジャー(カレロ)のクレジットが消える。この時期フォー・シーズンズとヴィー・ジェイとの間には印税不払いに端を発する訴訟問題が発生しており、恐らくこの盤以降、ボブ・クルーやメンバーの了解を得ずに、レーベル側が勝手にリリースし始めたのだろう。クレジットがないのもそうした理由と関係があるのかもしれない。

トロピカルな雰囲気の「New Mexican Rose」はクルーとカレロの共作。ビルボードでは36位まで上がった。

ややコミカルなフランキー・ヴァリのファルセットがうなる「That's The Only Way」をクルーと共作したロバート・ブーランジャー(と読めばいいのか? フランス語読みならブーランジェだが)とは、1960~70年代に活動したシンガー・ソングライター、ヴァン・トレヴァー(Van Trevor)の本名で、他人への提供曲には主にこちらの名前を使っていた。この曲のタイトルは白レーベルのプロモーション盤で誤って「That's The Way It Goes」となっていた(45cat.comの該当ページ参照)。レギュラー盤の極初期のプレスにも同様のものがあるようだが、見たことはない。

トレヴァーがちょうどこのシングルと同時期の1963年9月にクルーのプロデュース、カレロのアレンジ・指揮でリリースしたシングル「A Fling Of The Past/C'mon Now Baby」(Vivid 45-1004)には、フォー・シーズンズがバック・コーラスで参加しているとされているが(第36回で紹介した『THE FANTASTIC FIRST YEARS』(Sparkletone SP 99005)に両曲とも収録)、コーラスは彼らではなくニノ&ジ・エブタイズとしている資料もあるようだ。

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(続く)

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May 17, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(44)

ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第3回。

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A) SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN (Coots - Gillespie) 62-2742 #23
B) CHRISTMAS TEARS (Crewe - Bass) 62-2743
THE 4 SEASONS
Produced by Bob Crewe
Arr. and Cond. By Sid Bass
Vee-Jay VJ #478 [11/62]
45cat

第28回から第30回にかけてご紹介した、1962年12月発売のクリスマス・アルバム『THE 4 SEASONS GREETINGS』(Vee-Jay VJLP 1055)からの先行シングルとして11月にリリースされた。「Big Girls Don't Cry」と次の「Walk Like A Man」との間に挟まるので、“「Sherry」から3曲連続No.1!”という表現は必ずしも正確ではないのだが、企画もののクリスマス・シングルながら、これもビルボードで23位まで上がった。

有名なクリスマス・ソングを強烈なフォー・シーズンズ色に塗り替えた「Santa Claus Is Coming To Town(サンタが街にやってくる)」、アルバムで唯一のオリジナルだった「Christmas Tears」ともども、第30回で紹介済みなので参照していただきたい。ヴィー・ジェイ~フィリップス時代を通じて、他の編集盤への収録はないが、「Christmas Tears」は1964年に「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」とのカップリングで再シングル・カットされることになる。

12月もしくは1963年初頭にはEP『THE 4 SEASONS SING』(Vee-Jay VJEP 1-901)がリリースされた(未入手。45cat.comの該当ページはこちら)。ファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1053)から4曲をピックアップしたもので、収録曲は「Peanuts」「Never On Sunday」「La Dee Dah」「I Can't Give You Anything But Love」。また、このEPから「Peanuts」1曲のみを片面に収めたプロモーション・シングル(Vee-Jay EP 1-901)も作られた(未入手。45cat.comの該当ページはこちら)。

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A) WALK LIKE A MAN (Crewe - Gaudio) 62-2898 #1
B) LUCKY LADYBUG (Crewe - Slay) 62-2899
THE 4 SEASONS
Produced by: Bob Crewe
Arr. and Cond. By: Charles Calello
Vee-Jay VJ 485 [1/63]
45cat

1962年11月頃に録音され、翌1963年1月にリリース。両曲とも2月リリースの『BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1056)に収録。アルバムについては第31回以降を、全米第1位に輝いた「Walk Like A Man(恋のハリキリ・ボーイ)」については第32回を、「Lucky Ladybug」については第33回をそれぞれ参照願いたい。

「Walk Like A Man」はアルバム『BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS』のステレオ盤には当然ステレオ・ヴァージョンで収められているが、『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』(Vee-Jay VJLP 1065)のステレオ盤にはモノラルで収録されていた。『2ND VAULT OF GOLDEN HITS』(Philips PHS 600-221)に収録のステレオ・ヴァージョンはヴァージョン違いとの情報もあるが、聴いた感じでは違いはわからなかった。

3月にはEP第2弾『THE 4 SEASONS SING (2)』(Vee-Jay VJEP 1-902)がリリースされた(未入手。45cat.comの該当ページはこちら)。今回は『BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS』から「Why Do Fools Fall In Love?」「Silhouettes」「Alone」「Since I Don't Have You」の4曲を収録。

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A) AIN'T THAT A SHAME! (Domino - Bartholomew) 63-3155 #22
B) SOON (I'LL BE HOME AGAIN) (Crewe - Gaudio) 63-3156 #77
THE 4 SEASONS
Prod. by Bob Crewe
Arranged By Calello
Vee-Jay VJ 512 [4/63]
45cat

1963年2月にステア=フィリップス・スタジオで録音され4月にリリースされた通算6枚目のシングル。B面にのみ、"THE 4 SEASONS"というアーティスト名の下に"Featuring FRANKIE VALLI"と小さく書かれている。

「Ain't That A Shame(悪いのはあなた)」はニューオーリンズR&Bの重鎮ファッツ・ドミノが、彼を編曲面などでサポートしたデイヴ・バーソロミューと共作し、1955年にヒットさせた曲。ジョン・レノン『ROCK 'N' ROLL』(1975年)やチープ・トリック『CHEAP TRICK AT BUDOKAN』(1978年)などでさまざまなカヴァー・ヴァージョンが聴ける。例のごとくリズムばかりかメロディーにも大胆に手が加えられた強烈なアレンジの「Ain't That A Shame」は、それまでのようなチャート・アクションは得られなかったがビルボードで22位まで上昇した。

「Soon (I'll Be Home Again)」はボブ・クルーとボブ・ゴーディオ合作によるロッカ・バラードの名作で、こちらも77位まで上がり、結果的にフォー・シーズンズ初の両面ヒットとなった。

両曲とも(「Ain't That A Shame」にはオリジナル・ヴァージョン通りの)ステレオ・ミックスは存在せず、6月リリースのオリジナル・サード・アルバム『AIN'T THAT A SHAME AND 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1059)のステレオ盤にはいずれもモノラルで収録された。

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『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』のステレオ盤には「Ain't That A Shame」はピッチの遅いモノラルで、「Soon」は擬似ステレオ(極端にいじられてはいないが、ぴったり真ん中に定位しているともいえない)で収録。「Soon」は『FOLK-NANNY』(Vee-Jay VJLP 1082)にも収録されているが、こちらはほぼモノラルといえる。

「Ain't That A Shame」はその後フィリップスからの『2ND VAULT OF GOLDEN HITS』には収録を見送られ、1968年12月の『EDIZIONE D'ORO (GOLD EDITION)』(Philips PHS 2-6501)でステレオ・ヴァージョンが初登場となったが、第7回でも触れたように、ニック・マーシの低音ヴォーカル・パートとエンディング前のフランキー・ヴァリのハイトーン・ヴォイスが最終モノラル・ミックスで加えられる前の、多少物足りない感じのオルタナティヴ・ヴァージョンとなっていた(英エースからのCD『EDIZIONE D'ORO』(Ace CDCHD 642)にもこの別ヴァージョンで収録)。1975年12月の『STORY』(Private Stock PS 7000)には、オリジナル通りのモノラル・ヴァージョンで収録されている。

(続く)

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フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(43)

ザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリの全オリジナル・アナログ・シングル紹介の第2回。

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A) BIG GIRLS DON'T CRY (Crewe - Gaudio) 62-2649 #1
B) CONNIE-O (Crewe - Gaudio) 62-2650
THE 4 SEASONS
Produced by Bob Crewe
Vee-Jay VEE JAY #465 [10/62]
45cat

前回ご紹介した「Sherry/I've Cried Before」ではレコード番号をVJ #456、こちらはVEE JAY #465としたが、これは手持ちの盤がそうなっているからで、この2枚に関してはVEE JAY #4xx表記のものと、VJ (#)4xx表記のものがある。これらの差異は、プレス時期ではなく工場の違いではないかと思われる。次の作品からはVJ (#)4xx表記のみで、#はすぐに取れ、500番台の終わりからはVJ-5xxのようにハイフン付きとなる(どうでもいい話だが)。

前作は両面ともボブ・ゴーディオの単独作だったが、今回は両面ともボブ・クルーとボブ・ゴーディオの合作。前作の大ヒットの余波を確実なものとするために、プロデューサーのクルーが曲作りにも積極的に加わるようになったということだろうか。

「Sherry」に続いて全米第1位を獲得した「Big Girls Don't Cry(恋はヤセがまん)」については、すでに第24回で紹介した。9月に発売されたファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1053)からのシングル・カットという形になり、レーベルには"From VEE-JAY LP 1053 Entitled "SHERRY""とクレジットされているが、45catの該当ページでもわかるように、表記が簡略化されたものや、表記自体がないものもある。

1962年12月発売のクリスマス・アルバム『THE 4 SEASONS GREETINGS』(Vee-Jay VJLP 1055)をはさんで1963年2月にリリースされたオリジナル・セカンド・アルバム『BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1056)にもタイトル曲として再録されたが、第41回などでも触れたように、ステレオ盤にもなぜかモノラルで収録されている。

1963年8月の『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』(Vee-Jay VJLP 1065)ではなぜか異様にピッチが遅く、ステレオ盤にはなんと擬似ステレオで収録された。

カップリングの「Connie-O」は、淡々としたドラムスのブラシ・ワーク、エフェクト処理したピアノのフレーズなどが印象に残る、メランコリックな失恋ソング。「Sherry」のB面「I've Cried Before」と同様、オリジナル・アルバムには未収録で『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』に収録されたが、これまた擬似ステレオで、「Big Girls Don't Cry」ほどではないがやはりピッチが遅くなっていた。

フィリップス移籍後の1964年5月に出た編集盤『FOLK-NANNY』(Vee-Jay VJLP 1082)(すぐに『STAY & OTHER GREAT HITS』と改題)のA面1曲目にも収められたが、やはり擬似ステレオながら、ピッチは元に戻されていた。

Lp1082s_1

Lp1082s_2

この曲のリアル・ステレオ・ヴァージョンは、前回もご紹介した1966年11月のフィリップスからのベスト『2ND VAULT OF GOLDEN HITS』(Philips PHS 600-221)が初登場ということになる。

ちなみに、オリジナル・アルバム未収録で『GOLDEN HITS...』が初登場となった「Starmaker」「Silver Wings」の2曲(いずれもボブ・クルーの単独作)は、同盤のステレオ盤ではリアル・ステレオだったが、『FOLK-NANNY』には擬似ステレオで収められていた。

(続く)

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May 14, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(42)

前回の予告どおり、今回からザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリのオリジナル・アナログ・シングルを順番に紹介していく。基本的にはアメリカ盤のみだが、イギリス独自のシングル・カットでエディットが施されているものなどにも適宜触れていく予定。

それでは、ヒットしなかったフォー・シーズンズ名義の初シングルから。

★★★★★
Gone5122a

Gone5122b

A) BERMUDA (C. Strother) G-845
B) SPANISH LACE (Crewe) G-846
THE FOUR SEASONS
A Bob Crewe Production
Gone 5122 [1/62]
45cat

A面とB面それぞれのタイトルと、盤にクレジットされた作者名、マトリクス番号、チャート・インしたものはビルボード最高位、アーティスト名(THE FOUR SEASONSだったりTHE 4 SEASONSだったり、THEが付いたり付かなかったりといろいろなので、盤ごとに記載)、プロデューサー名などの表記、レーベルとレコード番号、発売月/年を記載した。その下の45catとは、45cat.comというシングル盤のデータペースの該当ページへのリンクである。

このデビュー・シングルについては第27回に詳細を記したので、そちらを参照していただきたい。

★★★★★
Vj456a

Vj456b

A) SHERRY (B. Gaudio) 62-2569 #1
B) I'VE CRIED BEFORE (B. Gaudio) 62-2570
THE 4 SEASONS
Produced by: Bob Crewe
Arranged and Conducted by: Sid Bass
Vee-Jay VJ #456 [7/62]
45cat

45cat.comの該当ページを見ると、レーベル面の文字のレイアウトにはさまざまなパターンがあることがわかるが、私の持っている盤はどれとも違い、「I've Cried Before(あの日の涙)」の作者名がG. Gaudioとミスプリントされている。

ニック・マーシ(これまで「マッシ」と表記してきたが、こちらのほうが実際の発音に近いと思うので、今回からこの表記を使わせてもらう)の低音ハミングから始まるスローな「I've Cried Before」はオリジナル・アルバムには未収録。1963年8月発売の初のベスト『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』(Vee-Jay VJLP 1065)に収録されたが、ステレオ盤に収められたのは擬似ステレオ・ヴァージョンだった。

Lp1065s_1

Lp1065s_2

英エースから1994年に発売された2in1 CD『SHERRY / BIG GIRLS DON'T CRY』(Ace CDCHD 507)で初めてリアル・ステレオ・ヴァージョンが登場したが、コーラスもマーシの印象的なヴォーカルもない、ヴァリのソロ・ヴァージョン(これはこれで悪くないが)となっていた。恐らく最終的なモノラル・ミックスの際にコーラスをダビングしたということだろう。

Cdchd507a

Cdchd507b

第36回第38回で紹介した『TWO CLASSIC ALBUMS PLUS THE FOUR LOVERS AND RARE SINGLES』 (Real Gone Music RGMCD065)にはモノラルで収録されている。

全米第1位となった「Sherry」は、1962年9月発売のファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1053)に収録された。アルバムについては第22回以降を、曲については第26回を参照していただきたい。

♪She-e-rry~とフランキー・ヴァリがファルセットで歌うイントロ、ヴァースおよびコーダ部分にはヴォーカルのダブル・トラック(重ね録り)という録音技法が使われている。マーシの♪Why don't you come out、コーラスの♪come out と掛け合うコーラス(サビ)部分はシングル・トラックである。

第6回でも触れたように、『GOLDEN HITS...』のステレオ盤に収録された「Sherry」は、ファースト収録の通常ステレオ・ヴァージョンとはミックスが大きく異なっている。通常のヴァージョンではすべての楽器が左チャンネル、コーラスとマーシのヴォーカルが右チャンネル、ヴァリのヴォーカルはダブル・トラックがセンター(気持ち左寄りに感じるが、英エース盤CDだと気持ち右寄りのような気もする)と右、シングルだとセンターに位置している。それが『GOLDEN HITS...』では楽器がセンター、コーラスが右、ヴァリがダブル・トラックだと左と右、シングル・トラックだと左に配置され、ヴォーカルとコーラスに深いエコーが掛けられている。このような配置は、1960年代の彼らの録音では他に例がなく、なぜこのようなミックスが作られたのかは不明。モノラル盤でもエコーは同様に深く掛かっている。

ヴィー・ジェイからの編集盤で同曲が収められたものにはもう1枚、1964年8月にリリースされた『GIRLS GIRLS GIRLS -WE LOVE GIRLS』(Vee-Jay VJLP 1121)というのもあるが、こちらは持っておらず未確認。いずれにしても、『GOLDEN HITS...』収録ヴァージョンは恐らくCD化もされておらず貴重である。

フィリップスがヴィー・ジェイ音源を買い取った後の1966年11月に発売されたベスト盤『2ND VAULT OF GOLDEN HITS』(Philips PHS 600-221)には当然のように通常ヴァージョンで収められ、これは第7回で紹介した1968年12月発売の2枚組『EDIZIONE D'ORO』(Philips PHS 2-6501)でも同様である。

Ph221s_1

Ph221s_2

1975年12月にプライヴェート・ストックから出た『STORY』(Private Stock PS 7000)は『EDIZIONE D'ORO』を基に数曲を入れ替えた内容だが、特に60年代中期までの何曲かに、左右に大きく分かれた楽器やコーラスをセンター寄りに配置をずらしたミックスが施されており、「Sherry」にもそのように手が加えられていた。

Ps7000a

Ps7000b

(続く)

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May 10, 2014

映画『Jersey Boys(ジャージー・ボーイズ)』日本公開は9月27日

また3か月以上のご無沙汰となってしまったが、私が更新をサボっている間にクリント・イーストウッド監督の映画『Jersey Boys』(6月20日全米公開)のトレーラーが4月18日に公開となったので、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。

こんな非公式日本語字幕付き、なんていうのも今では観られる。便利なものだ。

日本でこのミュージカルを語らせたら右に出るものはいないだろう、いつもお世話になっているElaine'sさんが早速、「JERSEY BOYSトレーラーから」と題して、鋭く分析されていた。これは必読。

そして、公式サイトによれば日本公開は9月27日ということで、楽しみですね。ミュージカルの方の来日話はどうなっているのだろう。

いずれにしても、夏の終わりにはフランキー・ヴァリやフォー・シーズンズの名前も頻繁に聞かれるようになるだろうから、それまでにいろいろと盛り上げていかなければ。

というわけで、何と去年8月の第41回でストップしたままになっていた「フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ」分析記事を次回より再開する。

今まではアルバム・ベースの紹介だったが(といってもたった3枚しか紹介していない!)、次回からはちょっとスタイルを変えて、シングルを順番に紹介していくことにした。というのも、フォー・シーズンズ/フランキー・ヴァリ/ザ・ワンダー・フー?名義のアメリカ・オリジナル・シングルがすべて揃ってしまったからなのだ! 

実際にはまだ手元に届いていないのが2枚あるのと、ピクチャー・スリーブ付のものは当然スリーブ込みで揃えるようにしているが、肝心の「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」のみ、まだスリーブが見つからないのだが(あったと思ったら「アメリカ国外には発送しません」なんて言われたり)。

当初彼らの音源をアナログ中心に集め始めた時には、枚数も多いし、シングルを全部揃えられるなどとは考えもしなかった。シングルは、アルバム未収録のものがあればいいと思っていた。

それが、アルバムからのシングルなども何かのついでに少しずつ買ったりしていたら、いつのまにか枚数が増えてきた。ピクチャー・スリーブ付のものだけでも揃えようと思うようになり、結局は全部揃えることに。

ただし、Oldies 45からのヴィー・ジェイ原盤の再発、フィリップスのdouble hit series、自分たちで原盤を買い取って以後のThe Four Seasons Record Companyからのカップリング換え再発などは含んでいない。

フィリップスと契約後にヴィー・ジェイが乱発したシングルについては、どうしようかと考えたがピクチャー・スリーブ付きも2枚あるし、結局揃えることにした。

いずれにしても、様々なシングルをとっかえひっかえ聴くうちに、彼らを語る上でシングル盤というメディアがいかに重要であるか再認識した次第なので、次回からガンガン紹介していきたい。

そうそう、「フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ初来日公演終了」の記事にみなさんからコメントいただいたホリリッジ・ストリングスのLPもゲットした。

"THE HOLLYRIDGE STRINGS PLAY HITS MADE FAMOUS BY THE FOUR SEASONS"
(Capitol T 2199)
T2199

聴いてみて、確かにあの日会場で流れていたものに間違いないと確信した。これもいつか改めて紹介できればと思う。

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