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May 14, 2014

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(42)

前回の予告どおり、今回からザ・フォー・シーズンズ(ザ・ワンダー・フー?名義のものを含む)およびフランキー・ヴァリのオリジナル・アナログ・シングルを順番に紹介していく。基本的にはアメリカ盤のみだが、イギリス独自のシングル・カットでエディットが施されているものなどにも適宜触れていく予定。

それでは、ヒットしなかったフォー・シーズンズ名義の初シングルから。

★★★★★
Gone5122a

Gone5122b

A) BERMUDA (C. Strother) G-845
B) SPANISH LACE (Crewe) G-846
THE FOUR SEASONS
A Bob Crewe Production
Gone 5122 [1/62]
45cat

A面とB面それぞれのタイトルと、盤にクレジットされた作者名、マトリクス番号、チャート・インしたものはビルボード最高位、アーティスト名(THE FOUR SEASONSだったりTHE 4 SEASONSだったり、THEが付いたり付かなかったりといろいろなので、盤ごとに記載)、プロデューサー名などの表記、レーベルとレコード番号、発売月/年を記載した。その下の45catとは、45cat.comというシングル盤のデータペースの該当ページへのリンクである。

このデビュー・シングルについては第27回に詳細を記したので、そちらを参照していただきたい。

★★★★★
Vj456a

Vj456b

A) SHERRY (B. Gaudio) 62-2569 #1
B) I'VE CRIED BEFORE (B. Gaudio) 62-2570
THE 4 SEASONS
Produced by: Bob Crewe
Arranged and Conducted by: Sid Bass
Vee-Jay VJ #456 [7/62]
45cat

45cat.comの該当ページを見ると、レーベル面の文字のレイアウトにはさまざまなパターンがあることがわかるが、私の持っている盤はどれとも違い、「I've Cried Before(あの日の涙)」の作者名がG. Gaudioとミスプリントされている。

ニック・マーシ(これまで「マッシ」と表記してきたが、こちらのほうが実際の発音に近いと思うので、今回からこの表記を使わせてもらう)の低音ハミングから始まるスローな「I've Cried Before」はオリジナル・アルバムには未収録。1963年8月発売の初のベスト『GOLDEN HITS OF THE 4 SEASONS』(Vee-Jay VJLP 1065)に収録されたが、ステレオ盤に収められたのは擬似ステレオ・ヴァージョンだった。

Lp1065s_1

Lp1065s_2

英エースから1994年に発売された2in1 CD『SHERRY / BIG GIRLS DON'T CRY』(Ace CDCHD 507)で初めてリアル・ステレオ・ヴァージョンが登場したが、コーラスもマーシの印象的なヴォーカルもない、ヴァリのソロ・ヴァージョン(これはこれで悪くないが)となっていた。恐らく最終的なモノラル・ミックスの際にコーラスをダビングしたということだろう。

Cdchd507a

Cdchd507b

第36回第38回で紹介した『TWO CLASSIC ALBUMS PLUS THE FOUR LOVERS AND RARE SINGLES』 (Real Gone Music RGMCD065)にはモノラルで収録されている。

全米第1位となった「Sherry」は、1962年9月発売のファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1053)に収録された。アルバムについては第22回以降を、曲については第26回を参照していただきたい。

♪She-e-rry~とフランキー・ヴァリがファルセットで歌うイントロ、ヴァースおよびコーダ部分にはヴォーカルのダブル・トラック(重ね録り)という録音技法が使われている。マーシの♪Why don't you come out、コーラスの♪come out と掛け合うコーラス(サビ)部分はシングル・トラックである。

第6回でも触れたように、『GOLDEN HITS...』のステレオ盤に収録された「Sherry」は、ファースト収録の通常ステレオ・ヴァージョンとはミックスが大きく異なっている。通常のヴァージョンではすべての楽器が左チャンネル、コーラスとマーシのヴォーカルが右チャンネル、ヴァリのヴォーカルはダブル・トラックがセンター(気持ち左寄りに感じるが、英エース盤CDだと気持ち右寄りのような気もする)と右、シングルだとセンターに位置している。それが『GOLDEN HITS...』では楽器がセンター、コーラスが右、ヴァリがダブル・トラックだと左と右、シングル・トラックだと左に配置され、ヴォーカルとコーラスに深いエコーが掛けられている。このような配置は、1960年代の彼らの録音では他に例がなく、なぜこのようなミックスが作られたのかは不明。モノラル盤でもエコーは同様に深く掛かっている。

ヴィー・ジェイからの編集盤で同曲が収められたものにはもう1枚、1964年8月にリリースされた『GIRLS GIRLS GIRLS -WE LOVE GIRLS』(Vee-Jay VJLP 1121)というのもあるが、こちらは持っておらず未確認。いずれにしても、『GOLDEN HITS...』収録ヴァージョンは恐らくCD化もされておらず貴重である。

フィリップスがヴィー・ジェイ音源を買い取った後の1966年11月に発売されたベスト盤『2ND VAULT OF GOLDEN HITS』(Philips PHS 600-221)には当然のように通常ヴァージョンで収められ、これは第7回で紹介した1968年12月発売の2枚組『EDIZIONE D'ORO』(Philips PHS 2-6501)でも同様である。

Ph221s_1

Ph221s_2

1975年12月にプライヴェート・ストックから出た『STORY』(Private Stock PS 7000)は『EDIZIONE D'ORO』を基に数曲を入れ替えた内容だが、特に60年代中期までの何曲かに、左右に大きく分かれた楽器やコーラスをセンター寄りに配置をずらしたミックスが施されており、「Sherry」にもそのように手が加えられていた。

Ps7000a

Ps7000b

(続く)

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Comments

探究心旺盛のさいとうさんに大拍手!!
一文字一文字興味深く読ませていただいています

日本のブログ界に於いて4Sをこれほど愛し
またこれほど掘り下げた記事は無いでしょう

いつか製本出来たら必ず買います(笑)

Posted by: とぜんね | May 14, 2014 at 01:16 PM

とぜんねさん、過分なお言葉を頂き、恐縮です。

とぜんねさんのような方が1,000人くらいいたら、出版できるんですけどね。

途中で失速しないように、尻叩きをお願いします。

Posted by: さいとう(鳩サブロー) | May 14, 2014 at 07:46 PM

さいとうさん、今晩は。
遅れましたが、ファン登録有難うございました。
4S特集復活ですね、よかった。
私もとぜんぬさんとまったく同意見なんです。
応援しています!

ところで自分のシングル盤をチェックしてみましたが、
「I've Cried Before」の作者はB. Gaudioとなっておりました。

Posted by: bobby | May 16, 2014 at 09:09 PM

bobbyさん、応援コメントありがとうございます。
励みになります。

そう、「I've Cried Before」のクレジット、たいていの盤は正しいみたいなんですよね。

Posted by: さいとう(鳩サブロー) | May 17, 2014 at 01:52 AM

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