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April 28, 2013

フランキー・ヴァリも参加したジュース・ニュートンのデュエット企画

1980年代前半にヒット・チャートを賑わせたアメリカの女性歌手、ジュース・ニュートンの現時点での最新アルバム(編集盤は除く)は、2010年10月にリリースされたデュエット集だ。

"DUETS: FRIENDS & MEMORIES" (FUEL 302 061 855 2)
Duets_a

Duets_b

グレン・キャンベル、ウィリー・ネルソン、ゲーリー・モリス(カントリー歌手)とのデュオが2曲ずつ、あとはフランキー・ヴァリ、ランディー・マイズナー、ダン・シールズ、メリッサ・マンチェスターとのデュオが1曲ずつ収められている。

2009年に亡くなったダン・シールズ(イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーの片割れ)と、ジュースの長年の音楽的パートナーでやはり同年に没したオサ・ヤングの思い出に捧げられ、ジュースからデュエット相手への2010年のコメントも掲載されているが、録音年に関する記載は一切ない。
Duets_c

で、果たしてこれはいったいいつ録音されたものなのかというと、実は1995年だったのである。

デュオ作品としてのコンセプトを立て、アレンジとプロデュースを手がけたのは、1980年代のジュースの諸作でもアレンジを担当していたチャールズ・カレロで、レコーディングは1995年の8月から10月にかけてナッシュビルと西海岸で行われた。そして当時、少なくとも10組のアーティストと2曲ずつ、ヒット曲のカヴァーばかり計20曲が録音されたのである。

この20曲は当時2枚のCDに分けて収録され、形になるにはなった。その内の1枚を、本日ようやく入手出来たので、こうして記事にしているわけである。まずは、その内容をご紹介しよう。

"PLATINUM & GOLD - ALL TOP HITS! VOLUME TWO / All duets with JUICE NEWTON" (CD RECORDS VENTURE PARTNERS ONE CD1002)
Pg2_a

Pg2_b

1. Come A Little Bit Closer - Pointer Sisters (7)
 オリジナルはジェイ&ジ・アメリカンズ(1964)
2. Touch Me - Willie Nelson (8) ★
 オリジナルはウィリー・ネルソン自身(1962)
3. Fooled Around And Fell In Love(愛に狂って) - Gary Morris (7) ★
 オリジナルはエルヴィン・ビショップ(1976)
4. You've Lost That Lovin' Feeling(ふられた気持) - Melissa Manchester (-) ★
 オリジナルはライチャス・ブラザーズ(1964)
5. Take It To The Limit - Randy Meisner (-) ★
 オリジナルはイーグルス(1975)
6. Somebody's Baby - Eddie Money (-)
 オリジナルはジャクソン・ブラウン(1982)
7. My Love - Frankie Valli (8)
 オリジナルはポール・マッカートニー&ウィングス(1973)
8. These Dreams - Dan Seals (8) ★
 オリジナルはハート(1985)
9. Baby I'm-A Want You(愛の別れ道) - Eddie Rabbitt (7)
 オリジナルはブレッド(1971)
10. Up Where We Belong(愛と青春の旅だち) - Glen Campbell (8) ★
 オリジナルはジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ(1982)

もちろんお目当ては、2010年版『DUETS: FRIENDS & MEMORIES』でオミットされたフランキー・ヴァリとの「My Love」だ。出来は最高とまでは言わないが、まあ聴けてよかった(詳しい分析はまたいずれ)。

★印が2010年版にも収録されている曲。聞き比べて、音質面も含め、特に手を加えた形跡はなく、まったく同じものであることが確認できた。(7)とか(8)とか(-)が何を示しているのかは、後で説明する。

これは第2集ということで、未入手の第1集も、次のような曲目のはずなので紹介しておく。ジャケット・デザインは"VOLUME TWO"の部分が"VOLUME ONE"になっている以外は同一。

"PLATINUM & GOLD - ALL TOP HITS! VOLUME ONE / All duets with JUICE NEWTON" (CD RECORDS VENTURE PARTNERS ONE CD1001)

1. I Hear You Knocking - Pointer Sisters (8)
 オリジナルはスマイリー・ルイス(1955)のはず
2. Funny How Time Slips Away - Willie Nelson (7) ★
 オリジナルはビリー・ウォーカー(1961)、ウィリー・ネルソンのセルフ・カヴァーは1962年
3. What You Want Do For Love(風のシルエット) - Melissa Manchester (8)
 オリジナルはボビー・コールドウェル(1978)
4. The Biggest Part Of Me - Frankie Valli (7) ★
 オリジナルはアンブロージア(1980)
5. Time After Time - Eddie Money (7) ★★
 オリジナルはシンディ・ローパー(1984)
6. Friends And Lovers - Eddie Rabbitt (8)
 オリジナルはグロリア・ローリング&カール・アンダーソン(1986)だが、エディ・ラビット&ジュース・ニュートンも同時期に「Both to Each Other」のタイトルでヒットさせている
7. Without You - Glen Campbell (7) ★
 オリジナルはバッドフィンガー(1970)、ニルソンのカヴァーは1971年
8. Still The One(一人のままで) - Gary Morris (-) ★
 オリジナルはオーリーンズ(1976)
9. Heart Of Gold(孤独の旅路) - Randy Meister (8) ★★
 オリジナルはニール・ヤング(1972)
10.If You Don't Know Me By Now(二人の絆) - Dan Seals (-)
 オリジナルはハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ(1972)

★★印は何かというと、『DUETS: FRIENDS & MEMORIES』のiTunes限定デラックス・エディションのボーナス・トラック。

第2集のブックレット内側には、詳細なクレジットが掲載されていて、録音年月日もここで判明したというわけだ。
Pg2_c

ところが、2010年版のブックレットでは、クレジットから録音年月日についてのデータが消されていることがわかる。新作としてリリースするには、15年も前の録音であることがはっきりわかってはあまりよろしくないという判断が働いたのだろうか。1995年版(と後述の1998年版)ではエグゼクティヴ・プロデューサーとしてジョセフ・デファルコなる人物がクレジットされているが、彼の名前と関連する記述も消されている。
Duets_d

さて、1995年の『PLATINUM & GOLD - ALL TOP HITS!』リリースに際しては、さまざまなアーティストが参加したせいか、法的な問題が複雑に絡んでいたようで、ジュース・ニュートン本人の許可がないまま、テレビ通販の商品という形で少量が出回ったようである。CD RECORDS VENTURE PARTNERS ONE, L.L.C.という会社名も怪しげだし。

さらに話をややこしくしたのが、1998年に、今度はTV RECORDS ONE, L.L.C.という明らかに同系列の会社からでた、やはり『PLATINUM & GOLD - ALL TOP HITS!』という通販のシリーズ(ほとんど海賊盤?)で、今度は全8タイトルのうち第7集と第8集に、ジュース・ニュートンのデュオ集があてがわれることになった。

全8枚の内容については、チェコのこんな通販サイトで確認することが出来る。
All Top Hits! Volume 1 & 2: The Greatest Dance Hits
All Top Hits! Volume 3 & 4: All Time Feel Good Hits
All Top Hits! Volume 5 & 6: The Best of Love & Romance
All Top Hits! Volume 7 & 8: All New Dream Sessions
第1集から第6集まではテーマ別の単なるオムニバス・アルバムである。

ネットから拾った第7集の画像はこんな感じ。
Pg7

先ほど紹介した1995年版『PLATINUM & GOLD - ALL TOP HITS!』の曲目に付けた(7)は1998年版の第7集収録、(8)は第8集収録、(-)はどちらにも未収録、という意味だった。何曲かが削られ、ジュースのソロ曲が1~2曲ずつ加えられている。

同じタイトル、そっくりのデザインで第1集、第2集と銘打たれていても、1995年版と1998年版とでは内容がまったく異なるので、eBayなどで購入する場合は注意が必要だ(売り手側も混乱しているので)。

2010年版『DUETS: FRIENDS & MEMORIES』は、待望の本人公認のオフィシャル・リリースという位置付けになるわけだが、せっかくなので残りの曲も何らかの形で出して欲しいものだ。あとは、単純なミスだろうが、本来記載すべき作者名、出版社名が抜けているのは減点(1995年版では、スペルミスや漏れはあったが一応クレジットされていた)。

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