« フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(33) | Main | フランキー・ヴァリも参加したジュース・ニュートンのデュエット企画 »

April 24, 2013

ピアソラ 『ライヴ・イン・ウィーン』『AA印の悲しみ』本日再発売!

表題の通り、アストル・ピアソラの円熟期、1980年代の最重要ライヴ盤2作が、本日再発の運びとなった。

『ライヴ・イン・ウィーン』 (Victor VICC 75011) 1983年10月録音
Wien_a

Wien_b

『AA印の悲しみ』 (Victor VICC-75012) 1986年11月録音
Doble_a_a

Doble_a_b

選曲、演奏、録音と3拍子が揃ったこの2枚、いずれもドイツのMessidor原盤で、日本でも1990年代後半のピアソラ・ブームの折に学研のプラッツ・レーベルから発売され好評を博したわけだが、Messidorの倒産により原盤権の行方が判らなくなってしまい、長い間廃盤状態にあったものだ。

現在、この2作の権利はTermidor Musikverlag & Timba Recordsという会社が保有し、そこからビクター・エンターテインメントに話があったようで、私が担当者から連絡を受けた2月5日には、K2HD+HQCDフォーマットで4月に発売されることは、すでに決定していた。

『ライヴ・イン・ウィーン』の方は、1990年代の海外での再発盤である『The Vienna Concert(ウィーン・コンサート)』のタイトルとジャケットで出す予定だったので、日本のファンにも馴染み深い『Live in Wien』のタイトルとジャケットでオリジナルに忠実な形でリリースすることを私が提案し、了承された。

プラッツからのリリースの際には、デジパック仕様で、若干のデザインの変更が行われたが、プラケース仕様の今回は、上記写真のように、Messidorの(CDではなく)LPのアートワークをベースにデザインをしてもらった。

ライナー・ノーツは当然2枚とも新たに書き下ろしたが(2タイトル共通の部分もあり)、原盤についていたドイツ語ライナーも、翻訳してもらい、私が注釈を加える形で掲載した。原文は掲載しない予定だったが、最終的には、原盤CDのブックレットではなくLPのインナー・スリーブ(中袋)のものをCDサイズに縮小したものを投げ込む形にした(読みにくいが、雰囲気は味わっていただけると思う)。

続いて、紹介が遅くなってしまったが、去年から最近にかけての、これ以外のピアソラ関連作品の再発にも触れておこう。

雑誌『ラティーナ』3月号および4月号の輸入盤ディスコ・ガイドのコーナーでも紹介させてもらったが、昨年の10月から12月頃にかけて、アルゼンチンのUniversalが1960年代のフィリップスおよびポリドールへの全録音をCD3セットにまとめた。

"Completo en Philips y Polydor Volumen I 1964-1965" (Universal 3717078)
CD I: Astor Piazzolla 1944-1964/20 años de vanguardia con sus conjuntos (1964)
CD II: El tango (1965)
Uni1_a

Uni1_b

2枚組のうち1枚目は、1964年に過去20年間の軌跡を回顧した企画アルバム『モダン・タンゴの20年』。日本では新星堂のオーマガトキ・レーベルからCD化されていたが、アルゼンチンではアルバム単位ではこれが初復刻となった。ただし「Orgullo criollo(クリオージョの誇り)」以外はモノラルだった(ラティーナ3月号ではステレオと書いてしまったので、改めてお詫びの上訂正しておきます)。

2枚目はホルヘ・ルイス・ボルヘスの詩と散文に音楽を付け、エドムンド・リベーロが歌った名盤『エル・タンゴ』で、過去のCDはすべてモノラルだったが、今回は世界初のステレオ・ヴァージョンによるCD化となった。

"Completo en Philips y Polydor Volumen II 1965-1967" (Universal 3721264)
Concierto de Tango en el Philharmonic Hall de New York (1965) + Melenita de Oro (EP, 1965) + Revolucionario y Retrato de Alfredo Gobbi (Single, 1967)
Uni2_a

Uni2_b

第2集は1枚もので、1965年の金字塔『ニューヨークのアストル・ピアソラ』に、「Verano porteño(ブエノスアイレスの夏)」初演を含む舞台音楽『金の垂れ髪』(全4曲)、「革命家」と「アルフレド・ゴビの肖像」のシングル(1967年)を加えたもの。『ニューヨークのアストル・ピアソラ』はオリジナルとはステレオの低位が左右逆で、ピアノが左、ヴァイオリンが右となっている。いずれにせよこの盤はピアソラ・ファン必聴。

"Completo en Philips y Polydor Volumen III 1967-1969" (Universal 3725344)
CD I: La historia del tango Vol. 1/La guardia vieja (1967)
CD II: La histori a del tango Vol. 2/Epoca romantica (1967) + Vol.3/Epoca moderna(正しくはLos cuarenta) (1967) + Astor Piazzolla - Egle Martin (1967録音、1969発売)
Uni3_a

Uni3_b

スランプ期に大編成オーケストラで録音された『タンゴの歴史』の第1集を1枚目に、第2集と、4曲録音したところで頓挫してしまった第3集(後にオムニバス盤で日の目を見た)、ブエノスアイレスのマリアになり損ねたエグレ・マルティンとの2曲(エグレとのいきさつについいてはナタリオ・ゴリン著・拙訳『ピアソラ 自身を語る』を参照されたし)などを2枚目に収録した2枚組。

今回の全曲集の第2集、第3集に収録された一連のオリジナル・アルバム未収録曲は、私が2000年に編集した『ブエノスアイレスの夏~ピアソラ・レア・トラックス』にまとめたものと同じだが、そちらも廃盤であり、今回のリリースは歓迎されるべきものだ。

で、日本のユニバーサルにも国内盤としてのリリースを打診してみたが、まともな返事はこないまま。過去にも、他のレコード会社がいろいろと動いてくれた中で、かつてのポリドール~ポリグラム、今のユニバーサルは、本当にやる気がないというか動いてくれない。困ったものだ。

国内盤のリリースが続いているのがワーナー・ミュージック・ジャパン。
ライヴ録音や映画のサントラを中心にピアソラの音源を持っているフランスのMilanは、過去にはBMGジャパン(当時)やビクター・エンターテインメントから国内盤が出ていたが、今年からワーナーに権利が移った。

ちょうどいいタイミングで、新しい2枚組ベスト"Collector"が海外リリースされたということで、2月20日に日本盤も登場した。

『ピアソラ・ベスト・コレクション』
(Milan WPCR-14826/7)
Collector_a

こちらもライナーを書かせてもらったが、あいかわらずMilanはいい加減で、海外盤では曲名も間違っていたりしていた。
Collector_e

過去の間違いがそのままで、セステートの「現実との3分間」が「カモーラII」になっていたり、協奏曲の楽章名も表記されなかったりだったので、国内盤では以下のように訂正した。
Collector_j

ワーナーでは、現代クラシックのNonesuch(ノンサッチ)が今年設立50周年ということで一挙に代表作30作が1月23日に再発されたが、ピアソラ参加アルバムも次の2点が含まれていた。

『バンドネオン・コンチェルト』 (Nonesuch WPCS-16001)
Bc

ラロ・シフリン指揮セント・ルークス・オーケストラとの共演で、自身が弾くコンチェルトの定番。今回の再発シリーズのライナーは原則過去のものの再録だが、本盤に関しては1996年の国内盤発売時に書いたライナーの内容が古かったので、今回新たに書き直し、原盤ライナー訳も付けてもらった。

『ファイヴ・タンゴ・センセーションズ』 (Nonesuch WPCS-16002)
5ts

クロノス・クァルテットと共演したミニ・アルバムで、ピアソラの生涯最後のスタジオ録音。この盤はもともと原盤ライナーの訳のみで、私は書いていない。ピアソラが提供した「タンゴのための4人」を含む、クロノス・クァルテットの『冬は厳しく~弦楽四重奏曲の諸相II』(WPCS-16008)も、今回の再発ラインナップに含まれている。


|

« フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(33) | Main | フランキー・ヴァリも参加したジュース・ニュートンのデュエット企画 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/35335/57239722

Listed below are links to weblogs that reference ピアソラ 『ライヴ・イン・ウィーン』『AA印の悲しみ』本日再発売!:

« フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(33) | Main | フランキー・ヴァリも参加したジュース・ニュートンのデュエット企画 »