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December 26, 2012

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(31)

クリスマス・アルバム『THE 4 SEASONS GREETINGS』に続いて1963年2月にリリースされたオリジナル・セカンド・アルバムの紹介に移る。

"BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS" Vee-Jay LP 1056 (VJLP 1056) (Mono)
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"BIG GIRLS DON'T CRY AND TWELVE OTHERS" Vee-Jay SR 1056 (VJLP 1056) (Stereo)
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Produced by: Bob Crewe
Orchestra Arranged and Conducted by: Charles Calello
Vocal Arranger: Nick Massi
Engineer: Gordon Clark
Studio: Stea-Philips, NYC
Cover Disign: Bob Crewe
Cover Photo: Otto Fenn

Side One (Mono):
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Side One (Stereo):
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1. Walk Like A Man (Bob Crewe - Bob Gaudio)
2. Silhouettes (Frank Slay - Bob Crewe)
3. Why Do Fools Fall In Love (Frank Lymon - George Goldner)
4. Tonite, Tonite (William Nobles)
5. Lucky Ladybug (Frank Slay, Jr. - Bob Crewe)
6. Alone (Selma Craft - Morty Craft)

Side Two (Mono):
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Side Two (Stereo):
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1. One Song (Larry Morey - Frank Churchill)
2. Sincerely (Harvey Fuqua - Allen Freed)
3. Since I Don't Have You (Beaumont - Vogel - Verscharen - Lester - Tayler - Rock - Martin)
4. My Suger (Bob Crewe - Bob Gaudio)
5. Hi-Lili, Hi-Lo (Helen Deutsch - Bronislau Kaper)
6. Big Girls Don't Cry (Bob Crewe - Bob Gaudio)
7. Goodnight My Love (John S. Marassalco - George Matola)

モノラル盤とステレオ盤とでレーベル面のレイアウトなどが一部異なるのは、私の所有するそれぞれの盤でプレス工場が違うからで、このモノラル盤は恐らくはテネシーのSouthern Plastics, Inc.、ステレオ盤はミシガンのAmerican Record Pressing Co.でのプレスと思われる。

ファースト・アルバム『SHERRY & 11 OTHER』からのシングル・カットで、ビルボード・シングル・チャート5週連続No.1と、「Sherry」に続く特大ヒットを記録した「Big Girls Don't Cry」をアルバム・タイトルに起用した上で、B面6曲目に(ステレオ盤には何故かモノラル・ヴァージョンで!)改めて収録。その分1曲増えて、B面には7曲収録されている。1962年夏の録音である「Big Girls Don't Cry」を除く各曲の録音年月日は不明だが、先行シングルの2曲は11月頃、他の曲は年内に録音されたものと思われる。

その先行シングル、「Walk Like A Man(恋のハリキリ・ボーイ)」は1月に発売され(カップリングは「Lucky Ladybug」)、またまたビルボード全米チャートの1位に輝いた。そして同曲をA面トップに据えたアルバムの方も8位まで上昇する。

(この項続く)

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December 24, 2012

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(30)

THE 4 SEASONS GREETINGS』のA面は7つのトラックで構成されているが、オリジナルのヴィー・ジェイ盤ではモノラル盤、ステレオ盤とも、曲間の溝が8ヶ所切られ、盤面上では9つのトラックに分けられている。
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「The Merry Christmas Medley」が「We Wish You A Merry Christmas」と「Angels from the Realms of Glory/Hark the Herald Angels Sing/It Came Upon A Midnight Clear」とに、「Joy to the World Medley」が「Deck the Halls/God Rest Ye Merry Gentlemen/Away In A Manger」と「Joy to the World」とに、それぞれ溝で区切られているわけだ。

確かに、ジャケット裏の曲目を見ると、メドレー内のカッコが分けられ、時間表示も別にカウントしてある(この面のみ演奏時間が累計で表示されている)。ただしレーベル上の表記はそれぞれひとくくりだ。
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それが、フィリップスからの再発盤『THE 4 SEASONS' CHRISTMAS ALBUM』になると、表記上も盤面の溝も「The Merry Christmas Medley」は一つにまとまり、一方「Joy to the World Medley」は分割されて「Joy to the World」は単独の曲としてカウントされ、トラックは全部で8つになる(「Joy to the World Medley」には肝心の表題曲が含まれないことになってしまう)。
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フィリップス盤に準じた内容の1987年のライノ盤LPは未確認だが、翌1988年のCDは、LPのA面部分に当たる前半はオリジナル通り7トラックで構成されている。
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ところが1995年のエース盤CD(フィリップス原盤『BORN TO WANDER』との2 in 1)では、表記はオリジナル通りの7トラックだが、編集ミスによりCDに記録されているトラックは[6]が「The First Christmas Night Medley」+「Joy to the World Medley」の前半、[7]が「Joy to the World」となってしまっていた。
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このようにいささか混乱した結果となったのも、クリスマス・キャロルおよびキャロルに由来する曲目をこまかく配置し、組曲のようにひとつながりに並べるという、画期的な構成だったからではないか。

Deck the Halls(ひいらぎ飾ろう)」がインタールード的に3回登場すると書いたが、4-a)ではギター、6-a)ではベル、7-a)ではストリングスがメロディーを弾くなど、サウンド的に変化を付けているあたりも、芸が細かい。

それではB面の紹介に移ろう。こちらは20世紀のポピュラーなクリスマス・ソングが中心で、リズミカルなアップ・テンポの曲とムーディーなスロー・ナンバーが交互に登場する。

1. Santa Claus is Coming to Town (Coots - Gillespie)
邦題は「サンタが町にやってくる」。作詞家ヘヴン・ガレスピーと作曲家J・フレッド・クーツがこの曲を書いたのは1932年だが、注目を浴びることもないまま2年が経過した。1934年の感謝祭直前、エンターテイナーのエディ・カンターがラジオ番組で紹介した途端、楽譜のオーダーが殺到。ジョージ・ホール&ザ・ホテル・タフト・オーケストラ(リフレイン歌手ソニー・スカイラー)がブルーバードに初録音を果たし、翌年録音のトミー・ドーシー・オーケストラなどが続いた。

ビング・クロスビーとアンドルース・シスターズからブルース・スプリングスティーンまで数え切れないほどのカヴァーがあり、フィル・スペクター(クリスタルズ)もビーチ・ボーイズも取り上げている。1970年にはこの曲をモチーフに、フレッド・アステアが語りと歌を担当した同名TVアニメ(人形劇)も作られ、この曲の人気に拍車をかけた。

フォー・シーズンズのヴァージョンはA面の厳かなキャロルのイメージから一転、「Sherry」譲りの強烈なファルセットが爆発するもので、彼らが瞬時にして自分たちのスタイルを築きあげたことを物語っている。アルバムに先行して1962年11月にシングル・カットされ(カップリングは次の「Christmas Tears」)、全米チャートで23位まで上昇した。

2. Christmas Tears (Crewe - Bass)
アルバム唯一のオリジナルで、ボブ・クルーとシド・バースが合作した、クリスマス・ムードあふれるバラード。

3. I Saw Mommy Kissing Santa Claus (Tommie Connor)
邦題は「ママがサンタにキッスした」。トミー・コナーの作詞作曲。1952年7月、当時13歳のジミー・ボイドがコロンビアに録音し、12月にビルボード・シングル・チャートで1位を記録した。フォー・シーズンズのヴァージョンは1964年11月になってシングル・カットされたが、チャート・インはしなかった。

ちょうど今発売中の雑誌「レコード・コレクターズ」2013年1月号の連載「大鷹俊一のレコード・コレクター紳士録」に登場されたクリスマス・レコード・コレクターの志賀邦洋さんという方が、1977年に大瀧詠一のラジオ番組「GO! GO! NIAGARA」で流れたこの曲が「笑っちゃうくらいフォー・シーズンズらしいアレンジなんですよ。それを面白いなと思ったのが(クリスマスのレコードを意識する)一つのきっかけでした」という素敵なエピソードを紹介してくださっている。

4. The Christmas Song (Wells - Torme)
ヴォーカリストのメル・トーメとソングライターのボブ・ウェルズが1944年に作曲し、1946年にナット・キング・コールが自身のトリオと弦楽グループを従えて初録音。カヴァーは数え切れないほどあり、ナット・キング・コールも1953年、1961年とオーケストラをバックに再録音を繰り返した。

5. Jungle Bells (Bass - Jordan)
マサチューセッツで教会の音楽監督を務めていたジェームズ・ロード・ピアポントが、クリスマスではなく感謝祭のために作詞作曲し、「One Horse Open Sleigh(一頭立てのそり)」のタイトルで1857年9月に出版(メロディーは現在のものと少し異なる)。1859年には改訂されて「Jingle Bells, or the One Horse Open Sleigh」となり、やがて単に「Jingle Bells」と表記されるようになった。1943年、ビング・クロスビーとアンドルーズ・シスターズがデッカに録音し、ヒット・チャートの19位を記録。

1951年、多重録音などの先駆として知られるギタリストのレス・ポールは、インストゥルメンタル・ヴァージョンの「Jingle Bells」を発表しているが、2年後の1953年、夫人で女性歌手メリー・フォードとのコンビで「Jungle Bells (Dingo-Dongo-Day)」をリリース。舞台をジャングルに置き換えてしまったコミカルなこの替え歌は、シド・バースと、彼といくつかの作品を共作しているロイ・ジョーダンの作。そんなノヴェルティ・ソングとしての「Jungle Bells」をフォー・シーズンズは、シド・バース自身のアレンジを得て、マーティン・デニーを思わせるようなエキゾティックな雰囲気まで漂わせながら怪演している。

6. White Christmas (Irving Berlin)
言わずと知れたアーヴィング・バーリン作詞作曲の名作。1941年のクリスマスにビング・クロスビーがNBCラジオで初披露、翌1942年5月に映画『ホリデイ・イン』挿入曲としてデッカへ初録音(マスター劣化のため1947年3月に再録音)、やがて世界中に広まり記録的な大ヒット曲となった。やはりこの曲はアルバムを締めくくるのにふさわしく、フランキー・ヴァリもしっとりと歌っている。

(続く)

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December 20, 2012

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(29)

ザ・フォー・シーズンズが『THE 4 SEASONS GREETINGS』をリリースしたのは1962年12月だが、ビング・クロスビーやフランク・シナトラなどのポピュラー歌手たちはともかく、ロックンロール世代以降のアーティストによるクリスマス・アルバムは、当時はまださほど一般的ではなかったはずだ。

最初に話題となったのは何といってもエルヴィス・プレスリーで、RCAからの通算4枚目のLPとして1957年11月に『ELVIS' CHRISTMAS ALBUM』をリリース。実際にはクリスマス・ソングはスタンダード6曲とオリジナル2曲で、残りはクリスマスとは無関係の4曲が同年4月リリースのEP『PEACE IN THE VALLEY』から丸ごと再録されていたが、全米アルバム・チャートの第1位に輝き、何度も再発されるなど、定番としての位置を確立している。

コニー・フランシスの『CHRISTMAS IN MY HEART』(MGM、1959年)、ポール・アンカの『IT'S CHRISTMAS EVERYWHERE』(ABCパラマウント、1960年)あたりは特に新味はなく無難な印象。

注目すべきはボビー・ダーリンの『THE 25TH DAY OF DECEMBER WITH BOBBY DARIN』(アトコ、1960年8月録音、同年10月発売、1991年CD化)だ。ダーリンが選んだのはティン・パン・アリー製の現代的なホリデイ・ソングではなく、世界で広く親しまれているクリスマス・キャロルと、それらに比べれば一般的認知度の低かった黒人霊歌(スピリチュアル)で、この二つを並列させる形でアルバムは構成されている。とりわけスピリチュアルの数々は、ソウルフルな歌唱と女性コーラスやハンドクラップなどによるバックビートとの絡みが素晴らしく(アレンジはボビー・スコット)、ブルー・アイド・ゴスペルとでも言うべき躍動感に満ちている。充実作であるにもかかわらず、今日まで再評価の対象とされていないようなのは残念。

フォー・シーズンズとは無関係だがせっかくなのでジャケット写真を載せておく。
Darin25th

※ボビー・ダーリンといえば、第20回の記事に事実誤認があったので謹んで訂正させていただく。そこでは「1972年秋から年末にかけて、ボブ・クルーはモータウンでボビー・ダーリンのアルバム"BOBBY DARIN"をプロデュースした」と書いたが、そのアルバムは1972年8月のリリースで、プロデューサーはジョー・ポーターだった。クルーがプロデュースしたのは、ダーリン没後の1974年2月にリリースされた『"DARIN" 1936-1973』のうち3曲である。現物を確認せずに書くのは慎まなければと反省。

『THE 4 SEASONS GREETINGS』と同じ頃にはリバティーからボビー・ヴィーの『MERRY CHRISTMAS FROM BOBBY VEE』、ワーナー・ブラザーズからエヴァリー・ブラザーズの『CHRISTMAS WITH THE EVERLY BROTHERS AND THE BOYS TOWN CHOIR』もリリースされているが、いずれも未聴。

そして1960年代前半のクリスマス・アルバムといえば、フィル・スペクターとザ・ビーチ・ボーイズが言うまでもなく定番中の定番である。

ダーレン・ラヴ、ザ・ロネッツ、ザ・クリスタルズ、ボブ・B・ソックス&ザ・ブルー・ジーンズによるオムニバス形式の『A CHRISTMAS GIFT FOR YOU (From Phil Spector)』(フィレーズ、1963年11月)は、スペクターの“ウォール・オブ・サウンド”ここに極まれりといった圧巻の内容で、統一感が素晴らしい。

このアルバムから大いなる影響を受けたビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは『THE BEACH BOYS' CHRISTMAS ALBUM』(キャピトル、1964年10月)を作り上げる。A面がバンド・サウンドによるオリジナル、B面がディック・レイノルズ指揮のオーケストラ・サウンドによるスタンダードという構成はやはり画期的だった。だが、LPの片面ずつ構成を変えるという手法自体は、フォー・シーズンズが既に実践していたのである。

改めて、『THE 4 SEASONS GREETINGS』の曲目をまずA面から見てみよう。7曲中4曲がメドレー形式だが、単独で歌われる曲も含め全体がノンストップでつながっていて、全体が一つの組曲のように構成されている。ストリングス、ブラス、キーボード、ベルなどが多彩に組み合わされたカラフルなアレンジは、ソフト・ロックの先駆的なイメージすら醸し出してはいないだろうか?

1. The Merry Christmas Medley
a) We Wish You A Merry Christmas
邦題は「クリスマスおめでとう」。比較的新しい歌かと思いきや、調べてみたら16世紀イングランド西部地方を起源とするクリスマス・キャロルだった。

b) Angels from the Realms of Glory
スコットランドのジェームズ・モンゴメリーが1816年に発表した"Angels from the Realms of Glory"という詞に対しては、古いフランスのキャロル"Les Anges dans nos Campagnes"をあてたものが世界的に有名だが(日本では賛美歌106番「あら野のはてに」)、英国などはヘンリー・スマートが1867年に作曲した"Regent Square"と組み合わされることも多く、ここで歌われるのは後者。ただし日本ではこの旋律には別の詞があてられて賛美歌87番A「めぐみのひかりは」となる。

c) Hark the Herald Angels Sing
チャールズ・ウェズリー作詞、フィーリクス・メンデルスゾーン作曲のクリスマス・キャロル。邦題は「天(あめ)には栄え」。原曲は1840年に印刷術発明400年記念祝典のために作曲された男声合唱と管弦楽のためのカンタータ「Festgesang(祝典歌)」(グーテンベルク・カンタータ)の第2曲。

d) It Came Upon A Midnight Clear
1850年にマサチューセッツ州ウェーランドにあるユニテリアン派教会の牧師エドマンド・シアーズが詞を書き、リチャード・ストールズ・ウィリスが作曲したクリスマス・キャロル。邦題は「天(あめ)なる神には」または「天なる神にはみ栄えあれ」、賛美歌114番。

2. What Child Is This (Trad.)
作者不詳のイングランド民謡「Greensleeves」の旋律に合わせ、1865年にウィリアム・チャタートン・ディックスが歌詞を付けたクリスマス・キャロル。邦題は「御使いうたいて」。

3. The Carol of the Bells (Trad.)
ウクライナに古くから伝わる新年を祝うキャロル「Shchedryk」をモチーフに、ウクライナの司祭ミコラ・レオントーヴィチが1916年に作曲し、ピーター・ウィロウスキーが歌詞を付けたコーラス曲。ウクライナの国立キエフ大学の生徒らによって初演され、その後ウクライナの国立合唱団が欧米諸国などに歌い広めた。

4. The Excelsis Deo Medley
a) Deck the Halls
伝統的なクリスマスと新年のキャロルで、ウェールズに16世紀から伝わるキャロル「Nos Galan」が原曲。邦題は「ひいらぎ飾ろう」。インタールード的にここと、6-a)、7-a)に登場。

b) Excelsis Deo
ここでは表記の題名になっているが、通常は「Gloria in Excelsis Deo(いと高き処に神に栄光あれ)」、あるいは単に「Gloria」とされる。そしてこれは1-b)で紹介した「Les Anges dans nos Campagnes / Angels We Have Heard on High(あら野の果てに)」のサビの部分そのものである。

c) Oh, Come All Ye Faithful
有名なクリスマス・キャロルで、ラテン語の原題は「Adeste Fideles」、邦題は「神のみ子は今宵しも」。イングランド人ジョン・フランシス・ウェードの作曲とされるが異説もあり。英語詞はイングランド・カトリック教会の聖職者フレデリック・オークリーによる。前述のボビー・ダーリンのクリスマス・アルバムではこの曲が冒頭を飾っていた。

5. The Little Drummer Boy (Onorati - Simeone - Davis)
チェコの伝統的なキャロルをベースに、アメリカ合衆国の作曲家で音楽教師のキャサリーン・デイヴィスが1948年にアマチュア女性コーラス用に書いた「Carol of the Drum」が原曲。オーストリア出身のトラップ・ファミリー・シンガーズが1955年に初録音した。1957年にジャック・ハローラン・シンガーズが編曲してドットに録音、ドットのヘンリー・オノレイティがこの曲をハリー・シメオンに紹介した。シメオンがその翌年20世紀フォックスでクリスマス・アルバム『SING WE NOW OF CHRISTMAS』を作る際、ハローランの編曲に更に手を加え、タイトルを「The Little Drummer Boy」に変更した。そればかりか、作者デイヴィスに対してオノレイティとシメオンの名前も作者クレジットに加えるよう要求。ハリー・シメオン合唱隊のアルバムはロング・セラーとなり、この曲のシングルはビルボードのシングル・チャートで13位まで上昇する大ヒットとなった。

6. The First Christmas Night Medley
a) Deck the Halls
b) Silent Night
1818年のクリスマス・イヴ前日、オーストリアはオーベンドルフの教会でパイプオルガンの音が出なくなり、ミサ曲の演奏が不可能になってしまったため、牧師のヨゼフ・モールは急いで"Stille Nacht"という歌詞を書き(以前から書き溜めていたもの、という説もある)、音楽教師でオルガン奏者のフランツ・グルーバーがギターで曲を付け、二人で歌った。そんな即興的な作品が楽譜を介して広まり、やがて世界で最も有名なクリスマス・キャロル「きよしこの夜」となった。英訳詞の1番と3番はジョン・フリーマン・ヤングによるが、2番と4番の訳者は不明。

c) Oh Holy Night
1847年、フランスのプラシッド・カポーの詞"Minuit, chrétiens"にアドルフ・アダンが曲を付け「Cantique de Noël(クリスマス讃歌)」とした。1855年、プロテスタントのユニテリアン派の牧師ジョン・サリヴァン・ドゥワイトがカポーの詞をもとに英訳。邦題は「さやかに星はきらめき」。

d) The First Noel
イングランド西部地方に17世紀以前から伝わっている旋律。ウィリアム・サンディーズが1833年に編集したクリスマス・キャロル集で紹介してから世界に広まった。邦題は「牧人ひつじを」。

7. Joy to the World Medley
a) Deck the Halls
b) God Rest Ye Merry Gentlemen
作者不詳のイギリスのクリスマス・キャロルで、「The First Noel」同様1833年にサンディーズによって紹介された。邦題は「世の人忘るな」。

c) Away In A Manger
このクリスマス・キャロルには3種類ものメロディーがある。日本やアメリカ合衆国では1887年にジェームズ・マレイが作曲したもの(邦題は「飼い葉の桶で」)、イギリスでは1895年にウィリアム・カークパトリック(ペンシルヴァニア生まれのアメリカ人)が作曲したもの(別名「Cradle Song」、邦題は「まぶねの中で」)が有名だが、ここではカークパトリック版のもとになった、1837年に米国の教会音楽家ジョナサン・E.スピルマンが作曲した旋律が歌われている。

d) Joy to the World
もちろんスリー・ドッグ・ナイトの「喜びの世界」ではなく(当たり前だ)、世界的に有名なクリスマス・キャロル。イギリスのアイザック・ワッツが作詞し1719年に出版、1839年にローウェル・メイスンがヘンデルの曲をモチーフに編曲を施した。お馴染みの「もろびとこぞりて」という邦題と歌詞は、別の英詞("Hark The Glad Sound! The Saviour Comes")からの訳で、本来の邦題は「民みな喜べ」。

(この項続く。クリスマスまでにB面について書けるか不安だが)

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