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November 08, 2012

フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズ(26)

少し間が開いてしまったが、ザ・フォー・シーズンズのデビュー・アルバム『SHERRY & 11 OTHERS』(Vee-Jay VJLP 1053)、B面の残り3曲を見ていこう。

4. Oh, Carol (Greenfield - Sedaka)

ニール・セダカのRCAからの4枚目のシングルとして1959年10月にリリースされ、全米シングル・チャートの第9位を記録した、初期の代表曲の一つ。作詞はハワード・グリーンフィールド。

ニール・セダカのハイスクール時代、ソロ・デビュー前のトーケンズ時代の彼に夢中になっていたのがキャロル・キングで、クラシックの素養のあるセダカは、キングに作曲や編曲の手法を伝授したという。キングは、ソングライター・コンビを組んだジェリー・ゴフィンと1958年に結婚するが、この結婚後にセダカとグリーンフィールドが書き送った「ラヴ・ソング」が、この「おお!キャロル」だった。アンサー・ソングとしてゴフィンがこの歌詞に手を加えたもの(メロディーは同じ)をキング自ら「Oh, Neil」としてレコーディングしたが、こちらはまったくヒットしなかった。

フォー・シーズンズの取り上げるレパートリーには、ブリル・ビルディングに集ったソングライターたちの作品はほとんど登場しないが、これは例外と言えるだろうか。当時のボブ・クルーらには、ブリル・ビルディングとは距離を置いたところで自分たちのチームを作り上げるという意識が強かったのではないだろうか。フォー・シーズンズも1968年にはキング=ゴフィンの代表作「Will You Love Me Tomorrow」の大胆なアレンジによる名カヴァーをものにするのだが、それはまた別の話。

(11月11日追記:バート・バカラック=ハル・デイヴィッド作品がLP片面分を占める『THE 4 SEASONS SING BIG HITS BY BURT BACHARACH... HAL DAVID... BOB DYLAN』を1965年に制作しているのをうっかり失念していた。上記の「ほとんど登場しない」という表現は、削除もしくは「初期においては」と但し書きを付けるのが妥当だろう)

ニール・セダカの場合はブリル・ビルディング系であってもデビュー当時からほとんどが自作自演だったこともあり、単純に曲の良さから取り上げたのではないだろうか。ニール・セダカのヒット曲からは、1964年には「Breaking Up Is Hard To Do(悲しき慕情)」も取り上げることになる。

5. Lost Lullabye (Crewe - Gaudio)

ボブ・クルーとボブ・ゴーディオの合作した(主に作詞をクルーが、作曲をゴーディオが担当?)、ムーディーな雰囲気の8分の6拍子の曲。フォー・シーズンズを名乗る前の変名の一つ、ビリー・ディクソン&ザ・トピックス (Billy Dixon & The Topics) 名義のシングルとして、クルーのプロデュースにより1962年1月にトピックスからリリースされた (45-6008)。このオリジナル録音は編集盤『THE FANTASTIC FIRST YEARS』 (Sparkletone SP 99005)で聴けるが、ピッチが高いものの、バックの演奏自体はこのアルバム・ヴァージョンと同じように聞こえる。ヴォーカルは録音し直しているようだが。

6. Sherry (Gaudio)

彼らの運命を変えた1曲。ボブ・ゴーディオはこの曲をたった15分で書き上げたという。当初は、当時のジョン・F・ケネディー大統領夫人ジャクリーン・ケネディー・オナシスに敬意を表して「Jackie Baby」というタイトルが付けられたが、「Terri Baby」に変更。ボブ・クルーの娘の名前を冠したレーベル、ペリにちなんで「Perri Baby」も検討されたが、最終的にゴーディオの親友のディスク・ジョッキー、ジャック・スペクターの娘の名前である「Sherry」に落ち着いたという(以上はウィキペディアより。「レコード・コレクターズ」1992年3月号の澤山博之氏の記事では「テリー」~「ペリ」~「ジャッキー」~「チェリー」~「シェリー」としている)。

フォー・シーズンズとしての最初のシングル「Bermuda」が不発に終わったことで、ボブ・クルーらは近年のヒット曲のリズムやらギミックやらを分析し、その成果をこの曲に盛り込んだという。ラテンの要素を盛り込んだシンプルで印象的なリズム、そして縦横無尽のコーラスに乗せた強烈なファルセット。

声だけ聴いて黒人だと思い込んだ人も多かったようで、ポップ・チャートだけでなくR&Bチャートでも第1位を獲得している。ディック・クラーク司会のテレビ番組「アメリカン・バンドスタンド」で動く彼らの姿を初めて観た人たちはさぞ驚いただろう。出演翌日には「Sherry」に18万枚の注文が殺到したという。

当時の日本はカヴァー・ポップスの黄金時代だった。「シェリー」はダニー飯田とパラダイス・キングが取り上げて、フォー・シーズンズのオリジナル以上のヒットを記録した。

(この項続く)

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