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October 23, 2006

ピアソラ その生涯と音楽

石川浩司さんがタンゴの部屋の掲示板でお書き下さったように、アルファベータ「クラシックジャーナル」022号にピアソラ特集が掲載されました。同社からはまもなく、マリア・スサーナ・アッシとサイモン・コリアーの共著"Le Grand Tango - The Life and Music of Astor Piazzolla"の邦訳『ピアソラ その生涯と音楽』が発売される予定ですが、それに合わせての特集記事というわけで、私も原稿を書いています。
肝心の本の訳稿(翻訳はミュージシャンの松浦直樹氏。今回の特集にあとがきからの抜粋が転載されている)の方も先に読ませて頂き、固有名詞の表記や事実関係の再確認など、いろいろとチェックさせて頂いています。最終的にどんな感じに仕上がるのか、私も楽しみにしているところです。

本と言えば、アルゼンチンで近々ピアソラを題材にした本がまた1冊出る予定で、これはカルロス・クリを始めとして何人かのピアソラ研究家が書いた文章などを集めた本になるのですが、実は私が作ったディスコグラフィーの最新版も掲載されることになりました。形としては、私のサイトにあるもの(更新が滞っていて申し訳ないです)をアレンジし直したような感じで、『ピアソラ 自身を語る』に掲載するためにナタリオ・ゴリンの作ったディスコグラフィーに手を加えたもの(ゴリン用にスペイン語版も作ってあった)のアイディアや記述も盛り込んであります。再発盤や編集盤は、未発表音源を含むものを除いてすべてオミットし、基本的にオリジナル盤のみをほぼ録音順に並べた構成になっています。これも、どんな風に仕上がるかなぁ。


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October 18, 2006

愛されるために、ここにいる

またまた1か月も開いてしまいました。
ちょうどこの1か月ほど、左腕の痛みに悩まされています。頚肩腕症候群のような感じ。10日前からは手も痺れはじめて、ペインクリニックで痛み止めを処方してもらったのですが改善されず、遂に今日からブロック注射を始めることに。数時間は落ち着いていましたが、夕方以降また周期的に痛みと痺れがやってきて、なかなかつらいです。仕事中もなかなか集中できなかったりして。そういえば、去年の9月頃は右の肩から腕にかけて痛みがあったのでした。早く落ち着いてくれるといいのに。

さて、今日は久々に試写会に行ってきました。12月からユーロスペースで公開予定のフランス映画『愛されるために、ここにいる』です。様々なタンゴの曲が使われているからと、配給会社の方が誘って下さったのですが、思わずホロリとさせられるいい映画でした。
年の離れた主人公二人はタンゴ・ダンスのレッスン・スタジオで出会うのですが、ダンスの場面で使われているのが「緑のインク」「バイア・ブランカ」「エル・チョクロ」など、いずれもカルロス・ディ・サルリ楽団による演奏というわけ。1曲だけ、終盤とエンド・ロールの後半にヌエボ・キンテート・レアルの「夢の中」(1999年録音)も登場しますが、エレガントでストイックなディ・サルリの演奏は、映画の雰囲気によく似合っています。
オリジナルの音楽(これもタンゴ)は、ゴタン・プロジェクトのクリストフ・ミュラーとエドゥアルド・マカロフによるものですが、彼らお得意のエレクトロニクス処理はなされておらず、ピアソラ・ライクな作品に仕上がっています。これはステファヌ・プリゼ監督が「興味を持っているのは、彼らのメロディー感覚」だからだそう。
映画には、過剰な表現は一切なし。極めて淡々と主人公たちの表情、心の動きが写し出されていきます(主人公ジャン=クロードの父親や息子は、重要な役柄であるにもかかわらず役名がない!)。そんな中に絶妙な隠し技のような演出がいくつも仕掛けられているあたり、見事です。そして私はと言えば、自分がもはやジャン=クロードの年齢に近づいているという事実に気付き、驚愕するのでした。

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