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August 21, 2004

ピアソラ国内盤の状況(続き・その2)

オリンピック、盛り上がっていますね~。始まるまでは、あまり関心なかったはずなのに、一度TVの柔道を見たらはまってしまって。そういえば、アテネって、ピアソラが最後にライヴを行った場所なんですよね。それにしても、南米で一度もオリンピックが開催されたことがないというのが、引っ掛かるなぁ。

ラティーナ9月号、私と高場将美さんとの対談が巻頭記事として載っています。ピアソラ初来日公演の裏話などが披露されていますので、ぜひご一読を。佐藤由美さんによるディスコガイド(92ページ)には目頭が熱くなりました。『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』のベースとなった連載『ピアソラとタンゴ史』(95年~97年)を担当してくれたのが、当時編集長だった由美さん。彼女なしには今の私はないといっても過言ではないのです。

さて、前回の続きです。
●ビクター・エンタテインメント
数は少ないながらピアソラが重要作を残したのが、アルゼンチンの独立系レーベル、トローバ。ビクターは現在、そのトローバの発売権を持っているわけですが、リリースされているのは『ブエノスアイレスのマリア』のみ。同じトローバの『アディオス・ノニーノ』がクラウンから発売されていたのもその理由の一つですが。何故クラウンから出ていたか、という裏事情はここでは省きますが、いずれにしてもクラウン盤は既に廃盤。もう1枚の『プルサシオン』と一緒にビクターから再発されればいいのですが。むしろビクターの功績(?)は、ピアソラが参加したエドゥアルド・ラゴスの貴重盤『アシ・ノス・グスタ』をCD化してくれたことにありますね。
『ピアソラ オリジナルサントラ集』というのは、悪徳プロデューサー、アルド・バガーニとのワンショット契約によって出たもの。内容は胡散臭いですね、はっきりいって。
そして、BMGの項で触れたように、ビクターはミランと再契約したわけですが(そう、出戻りなのだ)、BMG時代を引き継ぐ形でのリリースは、今のところ行っていませんね(私も特にアプローチはしていないわけですが)。
昨年末リリースの『アストル・ピアソラ・リミックスド』の後、唯一4月にサントラ・シリーズの1枚(もともとミランはサントラのレーベルとしてスタートしたところなのです)として出たのが『タンゴ―ガルデルの亡命』ですが、これがまたタイトルに偽りあり、というか、これって編集盤なんですよ、実は。海外での初リリースは97年。
『タンゴ―ガルデルの亡命』のサントラは、もともとLPとCDでは内容がすこし違いました(掲示板ですずきたつやさんが書いている通り、ビクター音楽産業からリアルタイムで発売された日本盤CDのみLPと同内容)。海外盤CDはLPの曲目から2曲カットし、LP未収録の1曲を加えた形で、『エンリコ4世』サントラとのカップリングでリリースされ、しかも一部曲名表記に誤りがあったのです。BMGからの日本盤CDは、オリジナルのLPとCDとに収録された全曲を正しいタイトルで収録した唯一の盤だったのです。
今回のビクター盤は、かつての海外盤CDの曲目に、ピアソラが病に倒れた後で製作された『ラテンアメリカ 光と影の詩』(92年)からの3曲(ピアソラが他の作品のために書いた素材をネストル・マルコーニが編曲・演奏したもの)、『スール その先は…愛』(88年)からロベルト・ゴジェネチェが歌う2曲(1曲はマルコーニ、1曲はピアソラの伴奏)を加えたもの、なわけです。ソラナス監督3作品からの編集盤ということですね。曲名の誤表記はそのままです、残念ながら。

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August 13, 2004

ピアソラ国内盤の状況(続き)

それでは、ピアソラの国内盤のレコード会社別状況について、ちょっとコメントしておきます。

●BMGファンハウス
ミランとBMGとの契約は02年(か、03年のはじめだったか)で終了したため、ミラン原盤のタイトルはすべて廃盤となりました。ミランはその後ヨーロッパおよび北米ではユニバーサルと、アルゼンチンではワーナーと、そして日本ではビクターと、という具合に変則的な配給契約を結んでいます。
RCA原盤のものでは、やはりレジーナ劇場のライヴが最もコンスタントに売れているようです。コンフント・ヌエベの傑作『バルダリート』が廃盤になってしまったのは、痛恨の極み。弦楽オーケストラの『シンフォニア・デ・タンゴ』(RCAではなくヴォーグ原盤ですが)やピアソラ=フェレールの『エン・ペルソナ』は、内容的に地味なこともあり、興味のある方は早めに買っておいた方がいいでしょう。
●ポリドール
92年に追悼盤としてリリースされた『ニューヨークのアストル・ピアソラ』がしっかりとカタログに生き続けているのは素晴らしい、んですが…。何年も前から画策している、リマスタリングを施した新装盤の話がまったく進展しないのはまことに遺憾。
同時に発売された『アストル・ピアソラ・ベスト』が未だに現行というのも、逆に困ったもんです。これはそもそも、まったくベストなどではなく、古典タンゴ集である『タンゴの歴史』第1集全曲と第2集からの4曲を組み合わせたもの。これに代わるものとして、LP2枚分全曲を新しいマスターで収録してちゃんと解説も付けた『ピアソラの夜~ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』(ここでも「ベスト」と銘打たれています。私は反対しましたが、レコード会社の担当者に強引に押し切られた)を98年にリリースしたはずなのに…。『アストル・ピアソラ・ベスト』というタイトルで勘違いしてしまうお客さんや販売店が後を立たず売れ続けているものだから、メーカーが廃盤にしないという、おかしなことになっているわけ。買った人が気の毒ですよ、まったく。ポリドールからの“正しい”ベストは『アストル・ピアソラの輝かしき軌跡』(POCP-1712)ですよ、みなさん。

ピアソラを手っ取り早くベスト盤で済ませたいという方は、BMGの『ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』とポリドールの『アストル・ピアソラの輝かしき軌跡』をセットで揃えるといいでしょう。ピアソラのほとんどの編成はこれで網羅されますよ。

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ピアソラ、そのCD廃盤か否か?

以前の記事で、

当時出たピアソラの国内盤CDでも、既にいくつかのタイトルは廃盤になってしまいました。私も、どれが廃盤でどれがそうでないのか、完全には把握できていません。
と書きましたが、ちょうど某所からピアソラの国内盤ディスコグラフィーの監修の依頼があり、ひととおり確認できましたのでご報告しておきます。

●東芝EMI
『ブエノスアイレスな夜 1945-1956』→廃盤
『ルナ~アストル・ピアソラ・ライヴ1989』→廃盤
●BMGファンハウス
『シンフォニア・デ・タンゴ』→発売中
『アストル・ピアソラ1961』→廃盤
『レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970』→発売中
『エン・ペルソナ』→発売中
『五重奏のためのコンチェルト』→発売中?
『バルダリート』→廃盤
『天使の死~オデオン劇場1973』→廃盤
『ピアソラ=ゴジェネチェ・ライヴ1982』→廃盤
『螺鈿協奏曲~コロン劇場1983』→廃盤
『リベルタンゴ~ロキシー劇場1984』→廃盤
『タンゴ―ガルデルの亡命』→廃盤
『リエージュに捧ぐ』→廃盤
『スール その先は…愛』→廃盤
『現実との3分間~クルブ・イタリアーノ1989』→廃盤
『ザ・ローザンヌ・コンサート』→廃盤
『バンドネオン・シンフォニコ~アストル・ピアソラ・ラスト・コンサート』→廃盤
『アストル・ピアソラ・ベスト~リベルタンゴ』→廃盤
『ソウル・オブ・タンゴ~グレイテスト・ヒッツ』→廃盤
『ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』(BVCM-37325 ヴォーグ、RCA、ミラン原盤からの選曲)→廃盤
『ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』(BVCM-37420 RCA原盤からの選曲)→発売中
●ソニー
『われらの時代』→発売中
『ある街へのタンゴ』→発売中
『タンゴ・コンテンポラネオ』→発売中
『アメリータ・バルタール、ピアソラ=フェレールを歌う』(アメリータ・バルタール)→発売中
『白い自転車』(アメリータ・バルタール)→発売中
●オーマガトキ
『モダン・タンゴの20年』→発売中
『ファイナリー・トゥゲザーVol.1&2』(アストル・ピアソラ&オスバルド・プグリエーセ)→新星堂の一部店舗に在庫あり?
●ポリドール/ユニバーサル
『ニューヨークのアストル・ピアソラ』→発売中
『エル・タンゴ』(ピアソラ=ボルヘス)→廃盤
『アストル・ピアソラ・ベスト』→発売中
『ピアソラの夜~ベスト・オブ・アストル・ピアソラ』→発売中
『ブエノスアイレスの夏~ピアソラ・レア・トラックス』→発売中
『アストル・ピアソラの輝かしき軌跡』→発売中
『セントラル・パーク・コンサート』→発売中
●ビクター
『ブエノスアイレスのマリア』→発売中
『ピアソラ オリジナルサントラ集』→発売中
『タンゴ―ガルデルの亡命』(BMG盤と内容違い)→発売中
●クラウン
『アディオス・ノニーノ+5』→廃盤
『ローマ1972』→廃盤
『ブエノスアイレス1976』→発売中
『ロコへのバラード+2』→廃盤
『3つのコンチェルト』→廃盤
●キング
『ピアソラの挑戦~リベルタンゴの時代』→発売中
『エル・タンゴ~ミルバ・ウィズ・ピアソラ』→発売中
『リベルタンゴ』(日本編集ベスト)→発売中
●ポリスター
『ライヴ・イン・トーキョー 1982』→発売中
●プラッツ
『ライヴ・イン・ウィーン』→廃盤
『ミラノ1984』→廃盤
『AA印の悲しみ』→廃盤
●ワーナー
『タンゴ:ゼロ・アワー』→発売中
『ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト』→発売中
『バンドネオン・コンチェルト』→発売中
『ラ・カモーラ:情熱的挑発の孤独』→発売中
『ファイヴ・タンゴ・センセーションズ』(クロノス・カルテット)→発売中

解説はまた改めて。

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August 09, 2004

NHKテレビ『スペイン語会話』で

ピアソラ『ライヴ・イン・トーキョー 1982』からの「ラ・クンパルシータ」(歌:藤沢嵐子)が流れることになりました。オンエアーは8月12日(木)午後11:30から教育テレビで(再放送は17日(火)午前6時から)。
テキスト8月号84ページ「大岩功のディスコテーカ・イスパニカ」でも紹介されています。講師の大岩さんは、タンゴ評論の大先輩、大岩祥浩さんのご子息です。
ちなみに、翌週19日には、カルロス・ガルデルの歌う同曲も紹介されるそうです。
以上、お知らせでした。

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